ビットコイン準備金、議論加速の兆し──価格上昇・増資観測も

木本 隆義
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5月5日、ビットコイン準備金の評価期限迫る

投資情報サービスの「K33 Research(K33リサーチ)」は29日、ビットコインの戦略的準備金(Strategic Bitcoin Reserve:SBR)をめぐる議論が今後活発化する可能性を分析したリサーチノートを公開した。5月5日には米国財務省がSBRの法的・投資上の検討について評価をまとめる期限を迎える予定であり、これに伴い相場も盛り上がりをみせそうだ。

ビットコインがここ最近9%ほど上昇している背景には、このSBR関連への期待感がある。それに加え、5月1日に予定されている「Strategy(ストラテジー)」の第1四半期(Q1)決算発表では、新たなATM(増資プログラムの一種)の導入が示唆される可能性があり、これも相場を押し上げる材料とみられている。大量の資金流入の期待は、投資家にとって待望の要素だ。

現時点ではSBRに関するオフィシャルな情報がほとんど出ていない。そのぶん直前になれば一気に騒がしくなるとK33は見ている。実際、国の動きはギリギリまで水面下で調整し、決定した段階で一気に報道されるケースを過去にも何度も目にしてきた。

今後起こり得る展開としては、噂が先行して相場が動き、正式発表のタイミングで「材料出尽くし」のような動きになる可能性も考えられる。しかし今回ばかりは、SBRの設置が現実味を帯びれば、長期的なプラス要素が大きいのではないか。公式なビットコイン準備金が誕生するとなれば、ビットコインが国家レベルで資産クラスとして認められたことになり、価格が反応しないはずがない。よって、今回の流れは単なる一過性のブームではなく、足場を固めたうえでの強気相場が期待される状況だといえる。

5月5日が近づくにつれ、世間の耳目はSBRに集中するだろう。今のうちからポジションを調整しておくのも一案だし、長期派は「公式なお墨付きが得られるならガチホ上等」という構えになるかもしれない。いずれにせよ、しばらくはビットコイン関連のニュースに熱い展開が続きそうだ。

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フリーエコノミスト。仮想通貨歴は9年。Liskで大損、BTCで爆益。タイの古都スコータイで、海外進出のための市場調査・戦略立案・翻訳の会社を経営。1973年生。東海中高、慶大商卒、NUCB-MBA修了。主著『マウンティングの経済学』。来タイ12年。
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