IOトークンを活用し、デバイス不要で報酬獲得
分散型コンピューティングネットワーク「io.net(アイオーネット)」は19日、新たに「Co-Staking Marketplace(共同ステーキング市場)」の提供を開始した。この機能により、専門的なデバイスを所有せずとも、ネイティブトークン「IO」をステーキングすることでブロック報酬の一部を得られるようになった。
従来、アイオーネットに参加するには、デバイスサプライヤーがGPUなどのハードウェアを所有・運用し、十分なIOトークンをステーキングする必要があった。しかし、今回の共同ステーキングの導入により、IOトークン保有者は、選択したオファーにトークンをステーキングすることでネットワークに貢献し、ブロック報酬を得ることが可能になった。デバイスを所有していなくてもステーキングに参加できるため、より多くの投資家や一般ユーザーの参入が期待される。
また、デバイスサプライヤーにとっても、ステーキング要件を分担できる点が大きなメリットだ。特に高性能なGPUなどの高額なハードウェアを運用する際の負担が軽減され、より多くのデバイスがネットワークに供給されることで、計算能力の向上が期待される。
共同ステーキングは以下のプロセスで進行する。
- サプライヤーによるオファーの作成
デバイスが完全にステーキングされ、運用可能になると、サプライヤーは共同ステーキングオファーを作成する。サプライヤーは、Co-Staker(共同ステーカー)が負担するIOの割合や、ブロック報酬の分配率を自由に設定し、マーケットプレイスに掲載することができる。 - 共同ステーカーの参加
共同ステーカーは、マーケットプレイスにアクセスし、提供されているオファーを検索する。GPUやCPUの種類、必要なIO量、ブロック報酬の割合、デバイスの信頼性スコア、想定される収益などを基に適切なオファーを選択する。 - ステーキングの実施とブロック報酬の獲得
共同ステーカーは選択したオファーにIOをステーキングし、通常14日間のクールダウン期間後にブロック報酬を受け取る仕組みだ。契約終了時のクールダウンは通常14日間だが、共同ステーカーが先に解除する場合は21日間となる。
今回発表された共同ステーキングの導入は、アイオーネットのエコシステムに新たな可能性をもたらす重要な一歩となる。デバイスを持たないIOトークン保有者にも報酬獲得の機会を提供し、サプライヤーの負担を軽減することで、より多くの高性能ハードウェアの導入を促進する。この仕組みが普及すれば、ネットワークの計算能力が向上し、分散コンピューティングの発展が加速するだろう。今後、共同ステーキングがどのように市場へ浸透し、広がっていくのか、その動向に注目したい。
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