米投資会社アーク・インベストのCEOであるキャシー・ウッド氏は21日、2026年の経済環境について、インフレ率が0%、あるいはマイナスにまで低下し、成長が加速する「ゴルディロックス(適温相場)」、いわゆる「黄金の年」になる可能性があるとの予測を示した。
「困難な嵐」を越えた2025年、市場は過小評価との見方
ウッド氏は公開された動画の中で、2025年は「関税を巡る混乱」「(米)政府閉鎖のリスク」、そしてトランプ政権が任命したメハラン氏の就任後に見られた「連邦準備制度理事会(FRB)によるタカ派的なレトリック」という、非常に厳しい3つの嵐に見舞われた1年であったと指摘した。
ただし、市場はこれらの困難をすでに耐え抜いており、2026年に向けた前向きな要素の一部は、「現時点では市場価格に十分反映されていない(過小評価されている)」と同氏は分析している。
ウッド氏が2026年を「ゴルディロックス」と呼ぶ最大の根拠は、インフレ率の劇的な低下にある。同氏は「私たちの予測が正しければ、成長はより力強くなり、重要なことにインフレ率は関税の影響下にあった時期よりもはるかに低くなるだろう」と言及。具体的には、原油価格の下落と家賃(賃料)の低下が継続するという前提のもと、ある時点でインフレ率は0%、あるいは0%を下回るまで低下する可能性があるとの見解を示した。
また、ウッド氏は現在の市場が「インフレがどこまでゼロに近づくかを過小評価している可能性が高い」と警鐘を鳴らす。2025年の混乱が収束し、物価上昇圧力が弱まることで、経済は「高成長・低インフレ」という投資家にとって理想的な状態へ移行するというのが同氏のメインシナリオだ。
この予測が的中すれば、イノベーション分野や成長株にとって、2026年は文字通り「黄金の年」になると同氏は強い期待を寄せている。今後の世界経済の見通しを占う観点の一つとして、米国のインフレ率に注目したいところだ。
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