ブロックチェーン分析企業のグラスノードは7日、暗号資産(仮想通貨)市場の最新レポートを公開した。ビットコイン
BTCは薄商いで新規資金の流入が乏しいなか、8万5,000ドルを突破したのちに反落したと指摘。相場を押し上げる新たな資金が不足しており、現在の値動きは、すでに市場にいる投資家たちのポジションの偏りや売買動向に左右されやすい状態だと分析した。
新規資金の流入が鈍い相場と米国市場の動向
現物取引所と米国のビットコイン現物ETFを合わせた出来高は、1日約68億ドル(約1兆円)と低水準だ。直近30日の新規資金流入も約49億ドル(約7,754億円)で、実現時価総額の増加分の4割未満にとどまり、既存投資家間での売買が価格上昇を支えているという。
取引時間帯のデータにも同様の弱さが表れており、9月下旬以降、米国の取引時間帯は「買い」よりも「売り」が優勢に転じている。米国の経済指標発表後も上昇を維持できず、米国株の堅調さとは対照的だ。現在の上昇は、参加者が少ない夜間や週末の値動きに支えられた不安定な状態だという。
実態と乖離するオプション市場の強気
実際の値動きを見ると、8万5,000ドル突破時には短期保有者による利益確定売りが集中し、取引所への資金流入割合は過去1年で最大となった。それにもかかわらず、オプション市場では上昇を見込む取引が優勢だ。こうした実態と乖離した強気姿勢は相場の過熱を招きかねないという。
過去のデータも、この強気姿勢に明確な根拠を与えていない。2020年以降、現在のように強気な取引が割高かつ価格変動率が低い類似局面は13回あったという。そのうち1カ月後にビットコインが上昇していたのは7回にとどまっており、相場が足踏みすれば過熱感が冷める可能性がある。
下値に密集する清算ラインと波及リスク
先物市場における強制決済(清算)のポイントが現在価格の下に集中しているという。直近では8万1,700〜8万3,300ドルに密集しており、その直下にある8万1,000ドルの買い注文の壁を崩されると、売りが連鎖する恐れがあると同社は分析している。

一方で上値には、8万7,100〜9万5,900ドルに空売り(ショート)の最大規模の清算ラインが控えている。その半分は3月下旬以降に蓄積されたもので、9万2,000ドル付近が最も分厚い。8万6,500ドルの売り壁を突破すれば、ショートカバーで一段高になる可能性があるという。

ただし同レポートは、上値の壁を突破するまでは、現在価格のすぐ下にある清算ラインをより警戒すべきだと指摘する。アルトコインの未決済建玉も2025年10月の急落前以来となる高水準に膨張しており、ひとたび下値支持線を割れば暗号資産市場全体に売りが波及しかねないという。
一連の分析から、足元の相場が実需を伴わない脆弱なものであることがうかがえる。今後は大口が動く米国時間での買い戻しや、8万1,000ドルにある買い壁を死守できるかが焦点となりそうだ。ここを割り込めばアルトコインを巻き込んだ急落につながる可能性があるため、まずは下値リスクへの警戒を優先すべきだろう。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.2円)


