米180ライフサイエンシーズ、「ETHZilla」に改称──イーサリアム財務戦略を推進

ヤマダケイスケ
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画像はFreepikのライセンス許諾により使用

米バイオテクノロジー企業「180 Life Sciences(180ライフサイエンシーズ)」は18日、「ETHZilla(イーサジラ)」へ正式に社名変更し、ナスダック市場におけるティッカーシンボルを従来の「ATNF」および「ANTFW」から「ETHZ」および「ETHZW」へ切り替えたと発表した。

9万ETH超を保有、新ティッカーでNASDAQ取引開始

同社は7月29日、自社の事業領域を大きく拡大し、イーサリアム(ETH)を主要資産とする財務戦略への移行計画を発表していた。今回の社名・シンボル変更は、この新たな財務戦略に沿った取り組みの一環となっている。

この計画の中で、同社は4億2,500万ドル(約627億円)の私募増資に加え、最大1億5,000万ドル(約221億円)の債券発行を通じて資金調達を行うとしていた。実際に行われた私募増資には、「Electric Capital(エレクトリック・キャピタル)」や「Polychain Capital(ポリチェーン・キャピタル)」等の有力投資家が参加。諸経費を差し引く前の金額として、総額約5億6,500万ドル(約834億円)の調達を完了したという。

イーサジラは大規模な資金調達を経て、すでに3,902.20ドルの平均取得価格で94,675 ETHを保有していると明らかにした。これらイーサリアムの推定価値は4億1,900万ドル(約618億円)となっている。さらに同社は、約1億8,700万ドル(約276億円)の現金も手元に残していると明かしており、この資金も今後イーサリアムの追加購入に活用される可能性がある。

イーサジラは購入したイーサリアムを単に保有するだけではなく、ステーキングやレンディングなどによる収益機会を活用して積極的に運用する方針を示している。これにより、トークンの価格上昇に伴う含み益のみならず、ネットワークから得られる報酬やレンディング等を通じた追加的な収益機会の創出を目指す構えだ。

今回の発表にあたり、イーサジラの取締役執行会長を務めるマクアンドリュー・ルディシル氏は、「私たちは自社のアイデンティティと市場の投資家にイーサリアムの価値を届けることを目指す」と強い意志を示した。数々の有力投資家が関与する同社の動向は、今後の暗号資産(仮想通貨)市場での注目要素のひとつとなるだろう。

社名変更と財務戦略の本格始動により、イーサジラは伝統的なバイオテクノロジー企業から仮想通貨エコシステムと密接に結びついた新しいタイプの上場企業へ変貌を遂げた。同社の新たな事業展開とその成果は今後、仮想通貨財務戦略を検討する他の上場企業へ影響を及ぼすかもしれない。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.68円)

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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