自動利回り付きのステーブルコインとして注目を集める「USDe」。これを証拠金として活用し、利回りと取引からの二重のリターンを追求できる分散型取引所(DEX)「Ethereal」がDEX市場で期待を高めつつあります。
この記事ではEtherealの特徴や強み、ウォレット連携から実際の取引方法などを画像付きで解説します。
Tips
Ehterealは執筆時点でメインネットα版のため、利用には紹介コードの取得が必須です。上記からのアクセスで当サイトの紹介コードを適用できますが、紹介人数が3名までと限りがある点に注意してください。
Ethereal(イーサリアル)とは?特徴を解説

| 名称 | Ethereal(イーサリアル) |
| サービス開始 | 2025年6月(テストネット公開) |
| 提供サービス | パーペチュアル取引 |
| 対応通貨ペア数 | 10種類 |
| 対応ネットワーク | イーサリアム、アービトラム、ベース、オプティミズム、BNBチェーン、ポリゴンなど約80種類のブロックチェーンに対応 |
| 取引手数料 | メイカー:0% テイカー:0.03% |
| 入金手数料 | 無料(ガス代を除く) |
| 出金手数料 | 2 USDe |
| 最大レバレッジ | 20倍 |
| API対応 | 対応あり |
| 日本語対応 | 対応なし |
| 公式サイト | https://www.ethereal.trade/ |
| 公式X | https://x.com/etherealdex |
| 公式Discord | https://discord.com/invite/etherealdex |
| 紹介コード | KYNZM0N8K30V |
Ethereal(イーサリアル)は、Ethena(エセナ)ネットワーク上に構築された次世代のDEXです。
Etherealの戦略の中心にあるのが、Ethenaが開発を手がける自動利回り型の合成ドルステーブルコイン「USDe」。これを証拠金として活用することで、ユーザーは利回りを得ながら取引からリターンを追求できます。
また、取引画面はBybitやBitgetをはじめとした中央集権型取引所(CEX)と遜色ない作りになっている点もポイント。扱いやすさだけでなく、注文・取引の低遅延・高速化にも力を入れた基盤作りが行われています。
Etherealは2025年6月にパブリックテストネットをローンチ。10月にはメインネットα版を公開し、現在は待機リストに登録した初期ユーザー、または紹介を受けたユーザーのみがアクセスできる段階となっています。
以下では、Etherealのより詳しい特徴について解説します。
USDeによる資産効率の高い取引
Etherealの最大の特徴となるのが、合成ドルステーブルコイン「USDe」を証拠金として採用する点です。
USDeとは?
Ethena Labsが開発した合成ドルステーブルコイン。裏付け資産として暗号資産(仮想通貨)を担保とし、デジタルヘッジにより価格安定を実現。プロトコルへのステーキングやEthenaとの連携を通じた自動運用により、高い利回りを受け取れる点が魅力。
Etherealで証拠金として預け入れたUSDeは、自動的に利回りが発生します。執筆時点では年率4.3%となっており、ユーザーはこの高利回りと取引から生まれる利益の2つのリターンを享受できる仕組みです。
また、USDeによる利回り獲得は、証拠金残高をわずかに補強し、取引の機会費用を低減する効果が期待できます。こうした点は、パーペチュアル取引にアクティブなユーザーにとって大きな利点と言えるでしょう。
CEXに匹敵する安全性と処理能力
Ehterealは一般的なDEXが抱える処理速度の限界を克服するため、処理の役割を分担させています。
注文の照会シーンにおいては、独自のアプリケーション専用シーケンサーを活用。これにより、サブ20ミリ秒の低遅延・毎秒100万件の注文処理の実行を可能に。また、高性能なオーダーブックエンジンを採用することで、取引シーンにおける高速性も担保しています。
また、Etherealは処理能力を追求しながらも、DeFiとしての安全性や透明性も確保。その秘密は、基盤チェーンとして採用する「Ethereal」にあります。
Etherealは、Ethereumのレイヤー2「Arbitrum(アービトラム)」の実行環境と決済を利用するEVMアプリケーションチェーンとして展開しています。Arbitrum自体がEthereumのセキュリティを受け継いでいるため、Etherealもそのセキュリティを継承した高い安全性を実現するという仕組みです。
さらに、Etherealはセルフカストディを採用する点もポイント。ユーザーは自身の資金を完全に自己管理できるため、Etherealのハッキング被害や破綻リスクから資金を守ることができます。
マルチなDeFi基盤としての将来性
Etherealは将来的に、すべての決済をUSDeで完結する「オールインワンDeFiアプリ」を目指しています。公式情報によると、今後はパーペチュアル取引のほか以下の機能を実装する予定です。
実装予定の機能例
- 現物取引
- マネーマーケット(暗号資産の貸し借り)
- 現実資産(RWA)取引
特に現物取引は注目ポイント。EthenaエコシステムではスポットDEX「Terminal」が期待視されていましたが、基盤プロジェクトと共に終了したため、その流動性がEtherealへ流れ込むことが期待されています。
Etherealは今後、ガバナンスフレームを立ち上げによって分散型自立組織(DAO)ガバナンスへ移行予定です。DAOによる提案や投票により、ユーザーニーズの高い機能性がさらに追加される可能性が考えられます。
なお、執筆時点では第一歩として「Earn機能」の実装がすでに予告済みです。詳細は不明ですが、競合DEXの多くが提供する「Vault(自動運用戦略)」のような仕組みになるかもしれません。
メイカーに恩恵のある手数料体系
Etherealは競合DEXと比較しても、安価な取引手数料体系を実現する点も特徴です。特にメイカー手数料は0%となっており、この優遇を通じてユーザーの積極的な流動性提供を促進しています。
| DEX | 手数料負担 |
|---|---|
| Ethereal | メイカー:0% テイカー:0.03% |
| StandX | メイカー:0.01% テイカー:0.04% |
| Hyperliquid | メイカー:0.015% テイカー:0.045% |
| Aster | メイカー:0.01% テイカー:0.035% |
| Lighter | メイカー:0% テイカー:0% |
執筆現在、Etherealでは競合DEXのような取引量に応じた手数料割引は未実装です。今後のアップデート次第では、割引制度の導入やガバナンストークン保有による割引適用などが実現する可能性があります。
エアドロ期待のポイントプログラム
Etherealでは、ガバナンストークンのエアドロップに繋がるポイントプログラムを実施中です。
執筆現在、プログラムはシーズン0からシーズン1へと移行しており、複数のエポック(期間)にわたって展開される予定です。現在のエポック2では、以下のアクティブな活動に対してポイントが付与されます。
エポック2でのポイント獲得方法
- パーペチュアル取引
- USDeの証拠金保有
- 友達紹介(リファ)
上記活動による獲得ポイントに応じ、ブロンズやシルバーなどのティアが適用されます。なお、シーズン0からの参加ユーザーは優遇されており、獲得ポイントに対して100%ブーストがかかる仕組みとなっています。
USDeの証拠金保有であれば、パーペチュアル取引を苦手とする方でも容易にポイント獲得を目指すことが可能です。各活動におけるポイント配分ルールは公開されていませんが、積極的な活動が推奨されます。
Tips
Ethenaを通じたsENAステーキングからも、Ethereal上のポイント獲得が可能です。なお、ENAトークン保有者向けに、ガバナンストークン総供給量の15%がエアドロップ枠として確保されています。
Etherealを使う前の準備
Etherealを利用する際は、あらかじめ「USDe」の準備が必須です。ここでは、以下の2ステップに分けて、仮想通貨取引所の口座開設からUSDeの購入まで、利用前の準備手順を解説します。
STEP1:仮想通貨取引所の口座開設後、ETHを購入
まずは国内外の仮想通貨取引の口座開設からです。国内取引所は、初心者でも扱いやすい以下の取引所を利用検討してみてください。
おすすめ国内仮想通貨取引所
- GMOコイン
GMOコインは、手数料の安さと取扱銘柄の豊富さで定評のある国内取引所です。特に仮想通貨の送金手数料が無料であるため、海外仮想通貨取引所やMetaMask(メタマスク)などへの送金におすすめです。 - コインチェック
コインチェックは国内でもトップクラスのユーザー数を持つ仮想通貨取引所です。仮想通貨の売買手数料が無料で、積立やレンディングなど豊富なサービスを提供しています。特にスマホアプリの操作性やデザインが高評価で、仮想通貨初心者におすすめの取引所です。 - ビットバンク
ビットバンクは、高いセキュリティと多様な取扱銘柄が魅力の国内仮想通貨取引所です。預かり資産の大半をコールドウォレットで管理し、マルチシグ対応など堅牢なセキュリティ体制を整えています。現物取引に加え、信用取引やレンディングサービスも提供しており、取引スタイルに応じた柔軟な運用が可能です。また、板取引に対応しており、スプレッドが狭く中上級者にも人気です。 - bitFlyer
bitFlyerは、国内最大級のビットコイン取引量を誇る国内取引所です。ビットコインが貯まるクレジットカードや、Vポイント(旧Tポイント)をビットコインに交換できるサービスが評判です。さらに、少額から仮想通貨を手数料無料で購入できる点も魅力です。
国内取引所は、トラベルルールの影響で海外取引所との送金が制限される場合があります。そんなときは、メタマスクなどのプライベートウォレットを経由すれば問題ありません。
また、海外取引所は以下2つの大手取引所の検討がおすすめです。取引所によって手数料体系やキャンペーン内容が異なるので、公式情報を参照したうえで選んでみてください。
仮想通貨取引所の口座開設後、以下の手順でETHの購入と送金を進めます。ETHは送金コストがかかるため、国内取引所では送金コストの安いXRPを購入し、海外取引所経由でETHに交換するのがおすすめです。
ETHの購入手順
- 国内取引所に日本円を入金
- 販売所・取引所でXRPを購入
- XRPを海外取引所に送金
- コンバート機能でXRPをETHに交換
※コンバート機能がない場合は、現物取引でXRP→USDT→ETHの順に交換
STEP2:メタマスクのアカウント作成後、USDeを準備
ETHの準備完了後、仮想通貨ウォレット「メタマスク」のアカウント作成とArbitrum Oneのネットワーク追加を進めます。
アカウント作成&ネットワーク追加手順
- アプリストアでスマホアプリをダウンロード
- 「新規ウォレットの作成」を選択
- シークレットフレーズの確認・記録
- 利用規約に同意してアカウント作成完了
- ホーム画面からネットワーク選択画面を開く
- 「カスタムネットワークを追加」をタップ
- Arbitrum Oneのネットワーク情報を入力
Arbitrum Oneのネットワーク情報
| ネットワーク名 | Arbitrum One |
| 新規RPC URL | https://rpc.ankr.com/arbitrum |
| チェーンID | 42161 |
| 通貨記号 | ETH |
| ブロックチェーンエクスプローラーのURL | https://arbiscan.io/ |
関連:メタマスクのアカウント作成方法
関連:メタマスクのネットワーク追加方法
準備完了後、海外取引所のETHをメタマスクに送金します。その後、スワップ機能を使ってETHをUSDeに交換してください。なお、ETHはガス代として使用するので数百円程度残しておきましょう。
ETHの送金とスワップ手順
- メタマスクでウォレットアドレスを取得
- 海外取引所からメタマスクへETHを送金
- メタマスクでETHの着金を確認
- Arbitrum One上の「ETH」をタップ
- 表示メニューから「スワップ」を選択
- スワップ先を「USDe」に設定
- ETHでスワップ数量を設定
- ガス代を払ってスワップ完了
Etherealの使い方
ここでは、 Etherealの基本的な扱い方を図解付きで解説します。ぜひ各種手順を参照して利用を進めてください。
ウォレットの連携
まずは、Ethereal公式サイトにアクセスします。以下リンク経由で公式サイトにアクセスすれば、当サイトの紹介コードが自動反映される形でウォレット連携を進められます。
注意:紹介枠には上限あり!
1つの紹介コードで招待できるユーザー数は執筆時点で3枠に限定されています。すでに紹介上限に達している場合は、公式Discordを通じて取得するようにしてください。
公式サイトにアクセス後、以下の手順で2度「Connect Wallet」をタップします。

ウォレット一覧から「MetaMask」をタップ。メタマスクを開いて、ウォレット接続を許可します。

利用規約チェック後に「Agree & Continue」をタップ。その後、「Get Instant Access」をタップします。

紹介コードが入力されているかを確認して、「Accept Invite」をタップ。メタマスクを開いて、Etherealのネットワーク追加を許可してください。これでウォレット連携完了です。

USDeの入金
ウォレット連携後、Arbitrum経由でUSDeを入金します。Etherealは独自チェーン「Ethereal」を基盤とするため、Arbitrum上のUSDeをEtherealへブリッジ後に入金を進める流れです。
まずは、画面上のウォレットアドレスをタップ。その後、「Deposit」をタップします。

入金ネットワークを「Arbitrum」に設定後、入金数量を設定して「Bridge and Deposit」をタップします。その後、メタマスクを開いてブリッジでのガス代支払いを確定させてください。

Etherealに戻り「Finalize Deposit」をタップします。再度メタマスクを開き、入金でのガス代支払いを確定させれば入金完了です。アカウント画面に表示された「Available Balance」に入金額が反映されているかを確認してください。

USDeの出金
アカウント内のUSDeは、メタマスクへ出金できます。Etherealネットワークはもちろん、ブリッジを活用することでArbitrumやEthereum上にUSDeを出金することも可能です。
出金を進める際は、画面上部のウォレットアドレスをタップ。「Withdraw」をタップ後、出金先と出金額を設定し、「Withdraw」をタップしてください。その後、メタマスクで取引承認すれば出金が完了します。

Tips
出金手数料は一律で2 USDeとなっています。また、Arbitrum・Ethereum経由で出金を進める場合は、ブリッジにおけるガス代負担も必要な点に注意してください。
パーペチュアル取引
パーペチュアル取引では、10種類の取引通貨ペアで最大20倍のレバレッジをかけた取引が可能です。
マージンモードはクロスのみの対応ですが、将来的にはサブアカウント対応予定のため、擬似的な分離マージンによる取引を進められるようになる見込みです。
画面上部のメニューボタンをタップし、「Trade」を選択すれば取引画面に移動できます。ここではBTC-USDを例にロングポジションを持つ手順を解説します。
ちなみに取引通貨ペアは、画面上部の「BTC-USD」をタップすることで変更可能です。

まずは、ワンクリック取引機能を有効化します。この機能を有効にすることで、毎回の取引でメタマスクを使った承認作業を行う手間が省けます。
BTC-USD画面の「Long」をタップ後、「Enable trading」をタップしてください。

「Enable One-Click Trading」をタップ後、メタマスクを開いて承認を確定させます。その後、「Start Trading」をタップすれば注文設定を進められます。

Etherealの注文画面は以下のとおりです。大手CEX同様にシンプルかつ視認性の高い注文画面を実現しています。以下一覧表を参考に、注文方法や利確・損切り設定などを任意で設定してください。

| ① 注文方法 | Market・Limit・Pro Order(実装予定)から選択 |
| ② レバレッジ | 取引の最大レバレッジ倍率を設定 |
| ③ 注文方向 | Long・Shortから選択 |
| ④ 注文数量 | 取引通貨またはUSDeで設定 |
| ⑤ TP/SL | 価格帯・%・ドルで設定 |
注文設定完了後、「Place Order」をタップ。確認画面から「Confirm Order」をタップすればロングポジションを持てます。

ポジションの決済方法
注文画面下の「Positions」からポジション画面を開きます。成行で決済したい場合は「Market」をタップ。決済数量を設定後、「Confirm」をタップして決済を進めてください。

ポートフォリオ画面
Etherealのポートフォリオ画面では、アカウント・注文状況、取引履歴などを細かに確認できます。画面上部のメニューアイコンをタップ後、「Portfolio」を選択して各種メニューを表示させてください。

以下では、ポートフォリオでの5つのメニュー画面の機能や見方を順に解説します。
Overview

主にアカウント内の資産残高・推移・ヘルス状況を確認できる画面です。ここではUSDeの利回り状況の確認のほか、「Claim Now」から獲得利回り請求も進められます。
さらに、画面下には現在のポジション情報や入出金履歴なども参照可能です。保有ポジションについては、この画面上から直接決済を進めることもできます。
Open Orders

現在セットしている指値・逆指値の注文状況を確認できる画面です。通貨ペアやポジションタイプなどで表示切り替えできるほか、「Date Range」から表示期間を絞ることもできます。
Trade History

取引に関する複数の情報を参照できる画面です。以下3つのタブから表示情報を切り替えできます。
Trade Historyの各種タブ
- Closed P&L:すでに閉じているポジション情報と損益状況
- Order History:これまでの注文履歴(通貨ペア等で表示切り替え可能)
- Trade History:これまでの取引履歴(通貨ペア等で表示切り替え可能)
Funding History

各取引における資金調達率の支払い・受け取り履歴を確認できる画面です。これまでのメニュー画面と同様、通貨ペアを絞った表示切り替えにも対応しています。
Trading Sessions

現在使用している端末で、ワンクリック取引が有効になっていることを示す画面です。この画面では、いつまでワンクリック取引が有効かを確認できるほか、有効期限の更新や取り消しなども進められます。
紹介コードの取得
メインネットα版より、紹介コードを使用することでEtherealへアクセスできるようになりました。友人が紹介コード経由でEtherealを始めると、紹介者は友人が獲得したポイントの10%が付与されます。
紹介コードの取得・利用時の注意点
執筆時点で紹介コードによる招待上限枠は3名までに限定されています。さらに、紹介コードの取得には、パーペチュアル取引で1万ドルの取引量の達成が必須な点に注意してください。
条件の取引量を達成後、メニューから「Points」をタップすれば紹介コードの取得を進められます。

ポイント画面から、「Refer and Earn」に表示された「Activate」をタップします。紹介コードが生成されるので、コード横のアイコンをタップ。あとは友人とコードを共有するのみです。




