「Bloomberg(ブルームバーグ)」のETF(上場投資信託)アナリストであるエリック・バルチュナス氏は9日、ETF発行企業「REX Shares(レックス・シェアーズ)」が4日に申請した「The REX-Osprey™ DOGE ETF(ティッカー:DOJE)」が、早ければ木曜日にも上場する可能性があるとの見解を示した。
DOJE上場の鍵を握る「1940年投資会社法」
米国初のドージコイン現物ETFとして期待されるDOJEは、レックス・シェアーズが以前に申請した「REX-Osprey™ Solana Staking ETF(ティッカー:SSK)」と同じく「1940年投資会社法」に基づいて申請されている。現物を直接保有する「1933年証券法」での申請とは異なり、同ETFでは「子会社への投資」という形でドージコインへのアクセスを可能にしている。
バルチュナス氏は「1933年証券法に基づくETFの承認を待っている大きなグループがまだいる」と指摘。1933年証券法に基づくETFは、米証券取引委員会(SEC)による市場操作や投資家保護観点から厳しい審査が必要となる。一方、1940年投資会社法は、SECの管轄下にある市場で取引される金融商品を対象とするため、比較的スムーズに審査が進む傾向にある。DOJEが他のETFに先駆けてデビューできるのは、こうした法律の違いがあるとみられる。
Bitwise Dogecoin ETFの承認判断は11月まで持ち越しに
DOJEと同じく上場が期待されている「Bitwise(ビットワイズ)」の「Bitwise Dogecoin ETF」は、承認審査が遅れる展開となった。SECは9日、Bitwise Dogecoin ETFの上場承認判断期限を60日間延長することを発表した。
同ETFは米シカゴ証券取引所「NYSE Arca(NYSEアーカ)」が今年3月に上場申請を提出して以降、段階的に審査が進められてきた。同月17日には180日間の審査期間に入り、6月からは正式な審査手続きの開始が公表されている。
SECは承認判断の延期理由について、「規則案と関連する問題を十分に検討するために時間が必要」と説明している。新たな承認判断期限は2025年11月12日に指定され、ビットワイズは上場戦線から一歩遠のく形となった。
規制枠組みの違いがETFの承認スピードに大きな影響を与えており、市場ではDOJEが一歩先んじる可能性が注目されている。いずれにせよ上場が実現すれば、ドージコインはミームコインの枠を超えて新たな投資対象としての地位を固める可能性があるだろう。今後のETF市場動向からも目が離せない。
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