暗号資産(仮想通貨)投資企業ギャラクシー・デジタルの創業者兼CEOのマイク・ノボグラッツ氏は10日、米ニューヨークで開催された「CNBCデジタル・ファイナンス・フォーラム」の場で、暗号資産市場が、投機中心から実需重視の市場へ移行する転換期に入りつつあるとの認識を示した。
市場急落は単一要因ではない、構造変化が影響か
ノボグラッツ氏は、直近の暗号資産市場の急落について、「単一の出来事が原因ではない」と説明。2022年11月のFTX破綻直後にビットコイン
BTCが1日で22%下落した局面と比較し、「今回は決定的な引き金が存在しない」と指摘し、複合的な要因が絡んでいるとの見方を示した。
同氏が複合要因のうちのひとつとして挙げたのが、2025年10月の大規模なレバレッジポジションの清算だ。24時間で160万人超のトレーダーが合計193.7億ドル(約2.9兆円)規模のポジションを失い、多くの個人投資家やマーケットメーカーが市場から退場した点を強調。暗号資産市場は「物語や期待によって動く側面が強い」と述べ、一度大勢が退場すると短期間で市場回復するのは難しいと説明した。
一方、ノボグラッツ氏は今回の調整局面を市場構造の変化の一環として捉えている。暗号資産市場には、異なるリスク許容度を持つ機関投資家の参入が進んでおり、個人投資家が期待してきた高倍率リターン中心の市場構造が変わりつつあると指摘している。
今後については、暗号資産の基盤技術を活用した金融インフラの整備が進み、RWAやトークン化株式など、実用性を重視した分野の重要性が高まるとの見方を示した。投機は今後も継続するとしつつも、全体としてはリターン水準の低い、より実務的な利用へと市場の重心が移ると強調している。
また、同氏は米国で審議が進んでいるCLARITY Act(クラリティ法案)について「民主党・共和党の双方が成立を望んでいる」と述べ、法制化に対する自信を表明。同法案が業界の不確実性を低減させ、投資家心理の改善につながるとの期待を示している。
なお、ギャラクシー・デジタルは2025年第4四半期、暗号資産市場の急落を背景として約4億8,200万ドル(約735億円)の純損失を計上した。これについてノボグラッツ氏は、状況が最悪に感じられる局面こそ将来に備える時期だと述べ、「潮目が変わるときは速い」として中長期における楽観的な姿勢を維持している。
関連:ビットコイン、長期買い好機へ接近──MVRV指標とスマートマネー流入が示唆
関連:ビットコイン、上昇か下落か──7万1,500ドルと実現価格が運命を分ける
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.5円)




