東証グロース上場の株式会社コンヴァノ(コード:6574)は8日、新たに総額200億円規模のビットコイン購入を決議したと発表した。同社が8月4日に策定した「コンヴァノ21,000ビットコイン財務補完計画」の第一段階(フェーズ I)を構成する大規模投資で、2027年3月末までに21,000BTC保有を目標とする長期戦略がさらに加速する。
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第5回社債200億円でフェーズ I加速、累計314億円投資で21,000BTC計画本格化
今回の200億円投資は、同日付で発表した「第5回普通社債の発行」による調達資金を全額充当する。購入時期については市場状況を踏まえながら実施し、2025年11月末までに完了予定としている。
本件購入が完了すると、9月2日付の前回購入決議分25億円の未実行分と合わせ、同社によるビットコインの累計購入額は総額約314億円に達する見通しだ。同社は9月1日時点で約520BTCを保有しており、今回の200億円投資により大幅な保有拡大が見込まれる。
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美容業界では異例、「価値保存手段」として戦略的位置付け
同社では、フェーズIで取得するビットコインを財務リザーブの核となる「価値保存手段」として位置付け、インフレ耐性および円安局面における購買力防衛を図る方針だ。ネイルサロン「FASTNAIL」ブランドを主力とする美容サービス・小売業界では例のない取り組みとして、ESG投資家や若年層投資家とのエンゲージメント強化にも寄与するとしている。
コンヴァノは「ビットコイン市場は機関投資家の参入拡大により流動性・価格発見効率が飛躍的に向上した」と分析し、明確なロードマップと量的目標を持った早期購入開始により、資本政策の一貫性や中長期的株主価値向上へのコミットメント、デジタルアセット分野における先進的企業ブランドの確立といったポジティブなシグナルを市場に発信するとしている。
SBI VCトレードと連携、Web3プラットフォーマーへの転身目指す
同社は9月5日にSBI VCトレードと戦略的連携を発表しており、大口顧客向け特別サービス「SBIVC for Prime」を通じて、大規模ビットコイン投資戦略の支援を受けている。
コンヴァノは「日本発のWeb3プラットフォーマー」への転身を目指し、8月にはグリーン・ビットコインマイニング事業(10月から月間10BTC採掘開始)や、円建てステーブルコイン事業の開始を相次いで発表している。
同社は2026年3月期連結業績予想には今回の200億円投資に係る損益は含まれていないとし、連結業績に著しい影響が生じる場合には速やかに開示するとしている。21,000BTC保有を目標とする財務補完計画により、ネイル事業を主力とする企業がどのような企業価値向上をもたらすか注目される。