コインベース、5州にステーキング訴訟取り下げ要請──仮想通貨規制緩和に向け前進

JinaCoin編集部
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SECも訴訟取り下げ、残るは5州のみ

暗号資産(仮想通貨)取引所大手の「Coinbase(コインベース)」は25日、カリフォルニア州、ニュージャージー州、メリーランド州、ワシントン州、ウィスコンシン州の5州に対し、自社のステーキングサービスに関する訴訟の取り下げを求めたと発表した。

コインベースに対する訴訟は、2023年6月に米証券取引委員会(SEC)および10州が、同社のステーキングサービスを未登録証券と見なして起こしたものが発端である。当時、数州は緊急停止命令を発し、コインベースが新たなステーキングを提供することを禁止した。しかしコインベースは、ステーキングサービスが証券には該当しないと主張し、法廷での徹底抗戦を宣言した。

その後、2024年2月にはSECが訴訟を正式に取り下げ、今後同じ内容で再提訴しないとする決定を下した。さらにイリノイ州、ケンタッキー州、サウスカロライナ州、バーモント州、アラバマ州の5州も同様に訴訟を終結させたことで、現在45州がコインベースのステーキングサービスに異議を唱えていない状況となっている。

しかし、依然として5州では訴訟が継続中であり、うちカリフォルニア州、ニュージャージー州、メリーランド州、ウィスコンシン州の4州では、停止命令が施行されたままとなっている。これにより、対象州の住民はステーキング報酬を受け取る機会を失い、2023年6月以降で推計9,000万ドル(約129億円)以上の損失が発生しているとされる。

コインベースは、これら5州の対応について法的にも事実にも反するものであり、消費者の選択肢を奪い、規制の行き届いていないサービスにユーザーを追いやる結果を招くと批判した。

コインベースは、ステーキングに関する規制は裁判所ではなく、選挙で選ばれた立法府によって決定されるべきだと主張している。実際、現在、連邦議会では与野党を超えた仮想通貨規制の枠組み作りが進行中であり、ホワイトハウスもステーキングを含むWeb3支援に関する大統領令を出している。このような動きに合わせ、SECや多くの州が訴訟を取り下げた中、なお訴訟を続ける5州の対応は時代遅れであると、コインベースは訴えた。

今後、コインベースは残る5州にも訴訟取り下げを求め続ける方針であり、仮に応じない場合は、引き続き法廷闘争を継続する意向だ。

今回のコインベースの動きは、仮想通貨業界の健全な発展と消費者保護の両立に向けた重要な一歩と評価できる。過剰な規制がもたらす混乱を回避し、透明性の高いルール作りを促進することが、今後の仮想通貨市場の健全な成長に不可欠である。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.96円)

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