ビットコイン(BTC)の2025年10月の月次リターンが-3.69%で確定し、10月としては2018年以来7年ぶりのマイナスリターンを記録した。10月は歴史的に「アップトーバー」と呼ばれるほど強気相場となる傾向があり、過去の平均リターンは+19.92%、中央値も+14.71%と高いパフォーマンスを示してきた。今回のマイナス転換は、市場参加者の間で注目されている月次アノマリーが崩れたことを意味する。
過去データが示す10月の強気傾向

2013年以降のデータを見ると、10月は2014年(-12.95%)、2018年(-3.83%)、2025年(-3.69%)の3回を除き、すべてプラスリターンを記録している。
直近5年間(2020-2024年)の10月リターンは、2020年+27.79%、2021年+39.93%、2022年+5.56%、2023年+28.52%、2024年+10.76%と、すべてプラスで推移していた。このため、市場では「10月は上昇する」という期待が定着しつつあったが、2025年はこの傾向が途絶える形となった。
11月以降の展望──歴史的には強気継続

月次アノマリーによると、11月の過去平均リターンは+42.51%、中央値は+8.81%と、10月を上回る強気傾向を示している。2024年11月は+37.29%、2023年11月は+8.81%、2021年11月は-7.11%と、年によってばらつきはあるものの、歴史的には上昇する月として知られる。
12月の過去平均リターンは+4.75%、中央値は-3.22%と、11月ほどの強気傾向は見られないが、年末に向けた資金流入が期待される時期でもある。
2025年10月のマイナスリターンが一時的な調整なのか、年末に向けた下落トレンドの始まりなのかは、今後の市場動向次第となる。ただし、過去のデータを見る限り、10月にマイナスを記録した2018年は、その後11月-36.57%、12月-5.15%と下落が継続した。一方、2014年は10月-12.95%の後、11月+12.82%と反発している。市場参加者は、過去のパターンと現在の市況を慎重に見極める必要がある。
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