BNB(ビルドアンドビルド)が18日、ローンチ以来初となる1,000ドルの大台を突破した。執筆時点では一時的に986ドルまで反落しているものの、この節目の突破は市場に強いインパクトを与え、暗号資産(仮想通貨)投資家やコミュニティの間では祝賀ムードが広がっている。

CZ氏、「技術的進化やコミュニティ拡大も上昇に寄与」
今回の上昇を後押しした要因と目されるのが、米国の金融政策動向だ。米連邦準備理事会(FRB)は16日から17日にかけて開いた連邦公開市場委員会(FOMC)において、政策金利を0.25%引き下げることを決定した。これにより市場全体でリスクオンの姿勢が強まり、仮想通貨市場に資金が流入。特にBNBはその恩恵を大きく受け、節目の1,000ドル突破につながったとみられる。
一方、仮想通貨取引所「Binance(バイナンス)」の元CEOであるチャンポン・ジャオ(CZ)氏は、「1,000ドル到達は複数の要因が重なった可能性がある」と指摘。政治や経済といったマクロ要因に加え、BNBの基盤となる「BNB Chain(BNBチェーン)」の技術的進化やコミュニティの拡大も重要な役割を果たした可能性を示唆した。
技術面では、BNBチェーンにおけるブロックタイム短縮や処理能力の向上、ガス代が従来の10分の1に削減されるなどの改善が進んでいる。これにより、同チェーン上での取引や開発活動が一段と活発化。特に、同チェーン上でのミームコインの流行や「WLF(ワールド・リバティ・ファイナンシャル)」のネイティブステーブルコイン「USD1」の展開は、BNBエコシステムの流動性拡大に寄与したという。
さらにコミュニティ面でも、RWA(現実資産)トークン化やAI関連プロジェクトの展開など、多様な取り組みが進んでいる。企業がBNBを財務戦略の一環として組み入れる動きも見られており、こうした流れも投資家からの需要増加を後押ししたと考えられる。CZ氏は「他にも私が把握していない要因が数多くあるだろう」と語りつつも、FRBの利下げが直接的にも間接的にも価格上昇を支えたことは確かだろうと付け加えた。
今回のBNBの節目突破は、FRBの金融政策というマクロ経済要因と、BNB独自の技術的改善やエコシステム拡大というミクロ的な要因が絶妙に重なり合った結果だといえるだろう。米国経済やBNBチェーンエコシステムの動向次第では、BNBはさらなる価格上昇を目指す可能性を秘めている。今後も市場の注目がBNBに集まりそうだ。
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