「一般社団法人ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ(JCBI)」は27日、同法人のエキスパートらが提案した「ブロックチェーンにおけるトークンを用いた非金融デジタル資産に関する国際標準規格案」が、国際標準化機構(ISO)の専門委員会「ISO/TC307」において、日本からの企画提案として初めて正式に採択されたことを発表した。
コンテンツの国際流通市場創出と取引の安全性向上を目指す
近年、デジタルコンテンツの流通は拡大を続けているが、「トークンを用いたデジタルコンテンツの流通に関しては、トークンのライフサイクルや記録すべきデータ項目に関する統一されたルールが未整備」であるとJCBIは指摘。このルール未整備な状況が、「各事業者が独自の技術仕様を採用しており相互運用性が乏しい」「著作権その他の権利情報が不明確であり、取引の安全性が十分に担保されていない」といった課題につながっているという。
今回、JCBIのエキスパートらによって提案され、8月25日に採択された国際標準規格案は、これらの問題解決を目的としている。
この規格案は、プラットフォームを横断したデジタルコンテンツの国際的な流通市場を創出し、取引の透明性とトークンの信頼性を高めることを目指す。これにより、消費者やクリエイター、IP(知的財産)を保有する企業などが、安心してデジタルコンテンツの取引や活用ができる環境を整備することが期待される。
今回の提案は、JCBIの代表理事である「株式会社博報堂」の伊藤佑介氏をはじめ、著作権流通部会長の岡本健太郎弁護士、技術推進部会長を務める「SingulaNet(シンギュラネット)」の町浩二氏、加盟企業である「株式会社NTTデータグループ」の松尾潤氏らによって行われた。
ISO/TC307とは
ISO/TC307は、ブロックチェーンおよび分散型台帳技術(DLT)に関する国際標準規格の策定を目的として2016年に設立されたISOの技術委員会だ。これまで、技術的な枠組みや用語定義、セキュリティ、プライバシー、ガバナンス、相互運用性、スマートコントラクトなど、幅広い分野での国際標準化活動を展開してきた。
JCBIは今後も、今回の採択を足がかりに、日本のIPコンテンツがグローバルで安心・安全に流通するための環境整備に取り組んでいくとしている。
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