BTC立国の夢再び|エルサルバドルがビットフィネックスを認可

木本 隆義
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夢ふたたび

中南米エルサルバドル共和国は11日、 暗号資産取引所のビットフィネックス(Bitfinex)にデジタル資産ライセンスを付与した。ライセンスは同国のデジタル資産発行法に基づくもので、ビットフィネックスは世界初の国際デジタル資産プラットフォームとなる。

長かったビットコイン冬の時代には「夢破れたBTC立国」などと揶揄されたエルサルバドルだが、ビットコイン価格の急回復を受けて、俄然活気を取り戻しつつある。

今回のライセンスは、巷でよく見かける「暗号資産取引所の〇〇は、セーシェルの金融ライセンスを取得いたしました」などという、ケチなものではない。株式・債券・債権・ローン・その他の金融商品をすべてデジタル化し、国際的な金融プラットフォームを樹立するという、包括的かつ壮大なプロジェクトだ。

戦いは始まったばかり

銀行口座を持たない貧困層にもあまねくフィンテックの恩恵をもたらす「金融包摂」は、まずは現実味をおびてきたといってよい。

だが、エルサルバドル・ブケレ大統領が広げた大風呂敷からみれば、こんなものは序の口だ。

たとえばビットコイン債。ブロックチェーンやスマートコントラクトを駆使した特殊な債券かと思いきや、そうではない。ブケレ大統領がぶち上げた「ビットコインシティ構想」実現のために起債される債券だという。

ビットコインシティは、上空からみるとビットコインのロゴを模した、「ビットコイナーのビットコイナーによるビットコイナーのための計画都市」だという。

暗号資産の取引に係る利益は非課税で、火山熱でビットコインマイニングを行うというハチャメチャな都市だが、建設予定地は今のところ原野のままだ。

肝心の国民生活へのビットコインの浸透も、まったく進んでいない。ビットコインの法定通貨化前と同様、米ドル札が流通している。

伏線の回収は、これからだ。

同期する世界

あらゆる金融商品のデジタル化を行い、デジタル資産の国際的プラットフォームとなるのはいいが、テロ資金やマネーロンダリングの温床になりかねないのは、容易に想像がつく。

はたして、テロ国家とテロ支援国家の撲滅を国是とするアメリカは、黙っているだろうか?

「統制 vs. 銃をもつ自由」「BTC vs. CBDC」の対立軸は、ここエルサルバドルにおいても通奏低音となっている。

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参考文献

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フリーエコノミスト。仮想通貨歴は9年。Liskで大損、BTCで爆益。タイの古都スコータイで、海外進出のための市場調査・戦略立案・翻訳の会社を経営。1973年生。東海中高、慶大商卒、NUCB-MBA修了。主著『マウンティングの経済学』。来タイ12年。
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