ビットコイン価格に反発の兆し──投資家心理とマクロ要因が上昇を後押し

ヤマダケイスケ
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン(BTC)は一時124,000ドルラインを突破して史上最高値を更新したものの、急激な売り圧によって8月からの上昇分を帳消しにした。その消極的な動きは、暗号資産(仮想通貨)市場に悲観的なムードをもたらしている。そんな中でも、テクニカル・ファンダメンタルズ両面から、ビットコイン価格に対してポジティブな見解を示す投資家や仮想通貨企業も少なくない。

FUD拡大と中国のマネー供給増が価格動向を左右

仮想通貨分析企業「Santiment(サンティメント)」は21日、「市場でFUD(恐怖・不確実性・疑念)が拡大している局面こそ、最適の買いタイミングだ」と公式Xで述べた。同社は、現在のビットコイン価格が反発の動きを見せている点を指摘したうえで、「市場は大衆心理の逆を行く」との見解を示している。

市場全体が恐怖や疑念に支配されている時期は、反発のきっかけになり得るという。こうした状況下では下落を拾いに行くよりも、いわゆる「逆張り」的な発想による買いに優位性があると同社は語る。

一方、マクロ的な要因がビットコイン価格形成に大きな影響を与えるという声もみられる。投資データ分析プラットフォーム「Alpharactal(アルファラクタル)」は、中国のマネー供給量とビットコイン価格の相関性に注目している。

同社は21日、公式Xで「中国が紙幣を多く刷るほど、ビットコイン価格は上昇する傾向にある」と指摘。特に通貨供給量を測る「M2」において、中国が米国を上回る局面ではビットコインが強気の動きを示す傾向があると強調した。同社はその他にも、米国のM2支配力の低下や中国人民銀行による流動性注入も、ビットコイン価格の上昇を支える要因になり得ると分析している。

強固な抵抗帯でサポート、価格上昇への期待が高まる

ビットコイン価格は執筆時点で114,378ドルと前日比0.06%の上昇を記録し、日足レベルで小幅な反発を見せている状況だ。この反発水準は過去の高値・安値で綺麗に支えられており、強固な抵抗帯として機能している。

「ビットコイン/米ドルの価格チャート(日足・BINANCE)。2025年8月21日時点で114,378ドル付近に反発。直近の下落からサポート水準112,020ドル付近で反発の動きが見られる。
出典:TradingView

短期的にはこの抵抗帯をめぐり、売りと買いの攻防が続くとみられる。テクニカル面と併せて、ファンダメンタルズ面での支援材料も今後重なれば、再びビットコイン価格が上昇基調に乗る可能性も予想できる。

FUDや中国を含むグローバルな経済動向は、これからもビットコイン市場で注視される要素になりそうだ。未だ不安と期待が交錯するビットコイン市場がどんな展開を見せていくのか、今後の動向にも目が離せない。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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