ビットコイン、NUPL指標で上昇余地示唆──2021年天井・2022年底値的中=テクニカルアナリスト

ヤマダケイスケ
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上昇期待と警戒感、交錯する市場心理

ビットコイン(BTC)のテクニカルアナリストであるCryptoCon氏は25日、オンチェーン指標「NUPL(純未実現利益/損益)」の動向に基づき、ビットコインにさらなる上昇余地があるとの見解を公式Xで示した。

NUPLはビットコイン保有者がどの程度利益または損失を抱えているかを表す指標で、市場の全体的な収益性を評価する際に用いられる。NUPLがプラス圏であれば多くの投資家が平均的に含み益を持っている状態、マイナス圏であれば逆に投資家が平均的に含み損を抱えていることを意味する。

この指標は過去のビットコインサイクルにおいて、価格の天井や底値を捉えるシグナルとして機能してきた。CryptoCon氏は、NUPLが過去のサイクルでも正確なタイミングで価格の転換点を示してきたと強調。同氏は2021年11月や2022年11月を例に挙げ、天井と底値を正確に予想した数少ない指標のひとつとしてNUPLを評価している。

CryptoCon氏が共有したチャートを確認すると、現状のNUPLはサイクルトップに到達しておらず、わずかながら上昇余地が残されている。同氏はこうした状況を踏まえ、「どこを見ても成長の余地がある」として、ビットコイン価格のさらなる上昇を示唆した。

ただし、現状のビットコイン価格は過去最高値に近い水準にあり、利益確定を伴う売り圧力が強まりやすい局面であることも事実だ。オンチェーンデータ分析企業「Glassnode(グラスノード)」は15日、市場の過熱に起因する短期的な下落リスクを示唆。上昇余地を残すものの、オンチェーンデータから投資家の利益確定が加速している点に警鐘を鳴らしている。

売り圧が潜むリスクも考慮してか、CryptoCon氏の見解に対して「すでに強気サイクルは終了しつつある」と冷静に分析するSNSユーザーの声も少なくない。NUPLのようなオンチェーン指標は、市場のセンチメントや転換点を読み解くうえで有効なツールだが、その解釈や判断はあくまで個々の投資家に委ねられる。市場・相場に絶対はないが、個々の判断の総量がビットコイン価格動向を左右することだけは確かだ。

市場全体の熱狂と警戒が交錯する現状は、ビットコインの投資判断に慎重なバランス感覚が求められる局面と言えるだろう。ひとつに固執せず、複数のオンチェーン指標を参考にしながら、市場動向も加味した総合的な視点で今後のビットコイン価格の動向を見守っていきたい。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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