ビットコイン12万ドルでも「過熱感指標」は中立圏、過去バブル天井と比べ上昇余地

JinaCoin編集部
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2017年・2021年バブル天井は「6超え」、現在はわずか2台

ビットコインが史上最高値12万ドルを突破した現在でも、重要なオンチェーン指標であるMVRV Z-Scoreは2台に留まっており、過去のバブル天井と比較してまだ大幅な上昇余地があることが判明した。この指標は、過去2回の主要なバブル局面で6を超えた水準が天井となったパターンを示している。

ビットコインMVRV Z-Score長期推移チャート(出典:CoinGlass)
ビットコインMVRV Z-Score長期推移チャート(出典:CoinGlass)

MVRV Z-Score(Market Value to Realized Value Z-Score)は、ビットコインの市場価値と実現価値の乖離度を統計的に測定する指標で、市場の過熱感を判断する重要なツールとして利用されている。

チャートを見ると、2017年末のバブル期には10を超える水準まで急上昇し、2021年の天井圏でも7近くまで到達していることが確認できる。これらの局面では、ビットコインの市場価値が実現価値(投資家の平均取得価格)から大幅に乖離し、極度の過熱状態を示していた。

一方、現在のMVRV Z-Scoreは約2~3の範囲で推移しており、これは中立的な水準とされている。過去の経験則では、この指標が6を超える水準に達するまで、価格上昇が継続する可能性が高いとされている。

この数値は、ビットコインの現在価格が、長期保有者の平均取得価格と比較してまだ大幅な乖離を示していないことを意味している。チャート上でも、現在の緑色のライン(MVRV Z-Score)は、過去の天井圏で見られた急激な上昇とは程遠い水準に留まっていることが視覚的に確認できる。

現在の約12万ドルという価格水準でも、この指標が中立的な範囲に留まっていることは、市場参加者の平均取得価格が相当程度上昇していることを示唆している。これは、長期的な価格上昇トレンドが投資家のコストベースを押し上げ、相対的な過熱感を抑制していることを意味する。

ただし、この分析はあくまで過去のパターンに基づくものであり、投資判断は複数の指標を総合的に検討し、慎重に行う必要がある。

MVRV Z-Score(Market Value to Realized Value Z-Score)とは?

MVRV Z-Score(Market Value to Realized Value Z-Score)は、ビットコインが「割高か割安か」を判断するための指標。

簡単に説明すると:

  • 市場価値:現在のビットコイン価格×発行枚数(時価総額)
  • 実現価値:すべてのビットコインが「最後に動いた時の価格」で計算した総額

実現価値とは? 例えば、Aさんが1BTCを50,000ドルで買って今も持ち続けているとする。現在ビットコインが120,000ドルでも、そのビットコインの「実現価値」は最後に動いた50,000ドルのまま。つまり、実現価値は投資家の平均的な取得コスト(買った値段)を表している。

MVRV Z-Scoreが教えてくれること:

  • 数値が高い(6以上)→ 現在価格が平均取得コストより大幅に高い=バブル状態
  • 数値が低い(2~3)→ 現在価格が平均取得コストとそれほど変わらない=まだ余裕あり

現在は約2~3のため、多くの投資家がまだ「大儲け」している状態ではなく、さらなる上昇余地があることを示している。

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