コンヴァノ、ビットコイン4億円分を購入へ──国内ネイル企業が仮想通貨戦略を開始

ヤマダケイスケ
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「ビットコイン保有戦略室」を新設し、運用体制を構築

東証グロース市場に上場する「株式会社コンヴァノ(証券コード:6574)」は17日、同日に開催された取締役会において、総額4億円相当のビットコイン(BTC)購入を決議したと発表した。この動きは、同社が新たに始動する暗号資産(仮想通貨)保有事業の中核施策であり、財務構造の多様化を図る狙いがあるとみられる。

コンヴァノは6月30日、第4回新株予約権の発行と総数引受契約の締結決定を公表。約60億1,860万円規模の資金調達を目指すことを明かしていた。このうち、約30億円はグループの自己勘定投資事業へ配分し、デジタルアセットへの投資として4億円の資金を割り当てている。昨今の国内企業によるビットコイン財務戦略の事例増加を受けて、同社もビットコインを自社資産として据える選択をした形だ。

コンヴァノは利益獲得を目的とした「攻めの資産」ではなく、ビットコインを企業財務における柔軟性を高めるための「購買力防衛策」として位置づけている。そのため、同社はビットコイン保有量を自己資本の一部範囲内に抑えるとともに、市場価格への影響を最小限にとどめるべく、分散購入を実施する方針を打ち出している。

同社の発表によると、すでにコンヴァノは新株予約権の一部発行によって約2,660万円を確保しているという。これらの資金はもちろん、自己資金やその他調達資金等を充当する形でビットコイン購入を進める構えだ。なお、4億円相当のビットコインは主要な仮想通貨取引所を通じ、2025年7月末までの購入完了を目指す予定となっている。

また、ビットコイン購入にあわせて、コンヴァノは仮想通貨の投資・運用体制の強化を図る「ビットコイン保有戦略室」を新設。同社取締役である東大陽氏を同室の責任者に任命したことを発表した。

東氏は仮想通貨の黎明期より、エンジニア兼経営戦略家としてビットコインやブロックチェーンの技術発展に貢献してきた人物である。同氏はこれまで得てきた深い知見を基に、ビットコイン保有戦略室にて自社バランスシート上での仮想通貨保有戦略の設計、関連事業への戦略的投資やリスク管理などを担当する予定だ。

ネイル事業を主力としてきたコンヴァノが、ビットコイン購入と戦略組織の設置により財務戦略の高度化を図る姿勢は、仮想通貨投資を検討する国内上場企業の新たな指針となる可能性がある。購買力を守るという中長期的な視点でのビットコイン保有、業界先駆者による保有戦略が同社の成長や仮想通貨業界にどんな影響を及ぼすのか、今後の動向に注目したい。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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