暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスの創業者で元CEOのチャンポン・ジャオ(CZ)氏は21日、X(旧Twitter)で「(時価総額で)ビットコインは金を超える」との見解を示した。
「保存しておけ、このツイートを」──CZ氏が語る未来への信念
CZ氏は投稿の中で「正確な時期は分からない。時間はかかるかもしれないが、必ず起こる。ツイートを保存しておいてくれ」と述べ、明確な時期は示さなかったものの、ビットコインが金を上回る未来を確信している姿勢を見せた。
時価総額ランキングにおいて、金は圧倒的首位で約30兆ドルを誇る。2位のエヌビディア(4.4兆ドル)、3位のアップル(3.9兆ドル)、4位マイクロソフト(3.8兆ドル)のなどが続き、ビットコインは8位で約2.1兆ドルで、米国企業のアマゾン(2.2兆ドル)やメタ(1.8兆ドル)と並ぶ規模を誇る。

このデータからも、ビットコインが既に主要テック企業や貴金属の価値に迫りつつあることが分かる。金との差は依然として大きいものの、デジタル資産としての存在感を示す材料となった。
CZ氏は2017年にバイナンスを創業し、同社を世界最大級の取引所に育て上げた。2023年に米当局との和解を受けてCEOを退任した後も、業界内での影響力は依然として強い。
ビットコインが金の約13分の1の規模である現状から、ビットコインが金を超えるにはまだ時間を要するとみられる。ただし、機関投資家の参入や国・自治体、銀行のビットコイン準備金などが進めば、長期的には金とのギャップが縮まる可能性もある。
ドイツ銀行は、ビットコインが「20世紀における金の役割を反映した現代的な金融安全保障の礎石」となるとし、2030年までに世界各国の中央銀行がビットコインと金の両方を主要な準備資産として保有すると予測している。
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CZ氏の投稿は、単なる価格予測にとどまらず、デジタル資産が従来の金融構造を再定義し得る可能性を象徴している。ビットコインが金を超えるかどうかは依然として不確定だが、確実に言えるのは、両者の比較がすでに金融界の中心的なテーマとなっているという点である。こうした議論そのものが市場の成熟を示しており、「ビットコインが金を超える未来」は、もはや夢物語ではなく、長期的な視点から検討すべき現実的なシナリオになりつつあると評価できる。
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