アーサー・ヘイズ氏「ビットコインが最良ヘッジ資産に」──34兆ドルステーブルコイン市場でDeFi急成長

JinaCoin編集部
11 Min Read
画像はArthur Hayes氏公式mediumより引用

著名な暗号資産(仮想通貨)アナリストで仮想通貨取引所「BitMEX(ビットメックス)」共同創業者のアーサー・ヘイズ氏は、現在のマクロ経済状況が仮想通貨市場にもたらす影響について詳細な分析を披露した。同氏によれば、米経済における大規模な金融緩和と、それに伴うステーブルコインの台頭が、ビットコインの急騰と特定のアルトコインの爆発的成長を牽引する見込みだという。

ステーブルコインが米国債市場とDeFiの双方を支える存在に

ヘイズ氏は、トランプ政権下での大規模な流動性供給と、FRBによる継続的な利下げにより、市場に潤沢な資金が流れ込むと予測している。さらに、この金融緩和は2026年に向けて続くと見ており、インフレは18〜24カ月の間しつこく残存する可能性が高いと指摘した。

このような通貨の価値希釈が進む環境において、金やビットコインは最良のヘッジ資産として機能し、その価格は加速度的に上昇すると主張する。

ステーブルコインがDeFiを押し上げる構図

ヘイズ氏の分析の核は、ステーブルコインが果たす地政学的な役割だ。米国政府が増大する国債の買い手確保に課題を抱える中、ステーブルコイン発行者は法律により米国の銀行預金や米国債への投資が義務付けられる可能性があり、その結果、米国債の安定した買い手となると説明した。

特に、新興国やグローバルサウスの人々は自国通貨のインフレから逃避するためドルを求めており、ヘイズ氏は米大手テクノロジー企業(WhatsAppやXなど)を通じてこの需要がステーブルコインに誘導される可能性があると述べた。これにより、ステーブルコイン市場は最大34兆ドル規模の潜在的な市場を持ち得るとし、その資金流入が分散型金融(DeFi)エコシステムに波及するとの見解だ。

こうして拡大するステーブルコインの利用は、単なる米国債の消化にとどまらず、DeFi市場の基盤としても機能する。ステーブルコインはDeFiの「レゴブロック」として位置づけられ、貸付やレバレッジ取引を拡大させる。具体的には、「Ethena(エセナ)」「EtherFi(イーサファイ)」「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」などのDeFiプロトコルが大きな成長を遂げる可能性を指摘し、ハイパーリキッドは将来的に世界最大の取引所となり得ると述べた。

アルトコイン戦略と金融システムへの影響

アルトコイン投資に関して、ヘイズ氏は今後数カ月に焦点を当て、収益を生み出しトークンホルダーに還元する高キャッシュフロー型のDeFiプロジェクトが有望であると助言した。還元がないプロジェクトは投資対象として避けられる傾向があるという。

さらに、ステーブルコインの普及はFRBの短期金利設定機能を弱め、商業銀行もステーブルコインを導入するか預金金利を引き上げなければ競争力を失うと指摘した。

今回の対談でヘイズ氏が繰り返し強調したのは、「資金の流れ」と「価値還元の仕組み」である。どこから資金が生まれ、どの経路を通じて市場に流れ込み、最終的に投資家にどう還元されるのか。この連鎖を見極めることこそ、次の数カ月で成果を上げるための鍵となるだろう。

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