L1 Aptos、MEV対策の暗号化メンプール稼働──手数料は通常の2倍

L1 Aptos、MEV対策の暗号化メンプール稼働──手数料は通常の2倍
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
水澤 誉往
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Highlights
  • 12日、Aptosが取引の中身を暗号化できる「暗号化メンプール」をメインネットで稼働。MEV対策で取引ごとに選択
  • 暗号化した取引の手数料の最低単価は通常の2倍。キーレスなど一部のアカウントは利用できない
  • 8月25日に土台の仕組みをガバナンス投票で導入。監査はZKSecurityが3月から実施

レイヤー1ブロックチェーンのAptos(アプトス)(APTAPT)は12日、取引の中身を暗号化したまま送れる「暗号化メンプール」をメインネットで稼働させたと発表した。実行前の取引をボットに読まれ、先回りの売買などに使われるMEV(最大抽出可能価値)への対策で、利用者が取引ごとに暗号化を選べる。アプトスは、新たな第三者を信頼する必要のない、プロトコルに組み込んだ初めての実装だとしている。

アプトスの暗号化メンプール、ブロック確定後に復号

アプトス財団のブログによると、利用者は取引の中身(呼び出す機能とその引数)を手元で暗号化して送る。暗号化の鍵は、バリデーター全体がエポックごとに共同で作る。ブロックの提案者は中身を見ないまま取引を並べ、ブロックが確定した後にバリデーターが共同で復号して実行する。

1人のバリデーターでは復号できず、ステークの3分の2の合意が必要となる。アプトスのブロックを作るのと同じ条件だ。送り手のアドレスと手数料は暗号化されず、取引のデータはブロックの確定後にオンチェーンに記録される。

新しい暗号方式により、50ノードでの試験では、ブロックあたりの遅れは約20ミリ秒だったという。アプトスのブロックは1秒未満で確定する。

アプトス向けのウォレット「Petra(ペトラ)」が、署名の画面で暗号化を選べるようにした。アプトス上の無期限先物取引所Decibel(デシベル)も、注文を実行まで非公開にするために使う予定だ。既存のスマートコントラクトは変更せずに使える。

アプトスは、他のMEV対策として、取引を平文で見るビルダーや非公開RPCを使う方式、TEE(信頼できる実行環境)を使う方式、チェーン外の委員会が復号する方式を挙げ、いずれも新たな第三者を信頼する必要があると説明している。

アプトスの暗号化メンプール、手数料は通常の2倍から

開発者向けのドキュメントによると、暗号化した取引のガス単価の最低額は、復号の作業をまかなうため、1単位あたり200 Octas(オクタス)と通常の2倍だ。下回る取引はサーバー側で拒否される。アプトスは3月に、ガバナンス投票を経て通常のガス料金を10倍に引き上げている。

キーレス・アカウントやアカウント抽象化を使うアカウントは、暗号化した取引に署名できない。暗号化した取引そのものは、送信前のシミュレーションを直接は行えない仕様だ。

仕様書のAIP-144は承認済み(Accepted)の状態にある。稼働の時点で毎秒1,000件を超える暗号化した取引を処理できると説明している。

時期内容
2026年3月9日ZKSecurityが暗号化メンプールの安全性監査を受託
2026年8月25日ガバナンス投票の議案「暗号化メンプールの枠組みの初期化」が実行
2026年10月12日メインネットでの稼働を発表
ZKSecurityの監査報告書、アプトスのガバナンスのサイト、アプトス財団のブログをもとにJinaCoinが作成(10月13日確認)

ZKSecurityの監査は3段階に分けて実施された。確定前の暗号化した取引を誰も復号できないこと、他人の暗号化した取引を複製・再送・改ざんできないことなどを確認の対象とした。暗号化した取引の手数料の計算は、監査の対象外だった。

関連:仮想通貨アプトスがチェーン停止との噂、CEOが「ばかげた噂」と否定

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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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