アンカレッジ、米国初のGENIUS法準拠ステーブルコイン「USDtb」を発行

JinaCoin編集部
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Ethena Labsと提携し、規制準拠の発行体制を構築

米国で唯一、連邦政府の認可を受けた暗号資産(仮想通貨)銀行「Anchorage Digital(アンカレッジ・デジタル)」は24日、ステーブルコイン「USDe」および「USDtb」の開発元である「Ethena Labs(エセナ・ラボ)」との戦略的提携を発表した。両社はこの提携を通じて、「GENIUS(ジーニアス)法」に準拠する初のステーブルコインとして「USDtb」を米国内で発行する。

ジーニアス法とは、7月18日(米国現地時間)に成立した、ステーブルコインの発行および運用に関する統一的な規制枠組みを定めた新法である。発行体に対して厳格な準拠義務と透明性を求めることで、ステーブルコインの信頼性を高めることを意図している。

USDtbはもともとオフショアで発行されていたが、今後はアンカレッジ・デジタルにより米国で発行されるようになる。これにより、同ステーブルコインは米国の金融規制に準拠した形で運用され、機関投資家にとってより信頼性の高い選択肢となる見通しだ。ジーニアス法に準拠した発行は、米国金融制度への適合性を高めるとされ、デジタルドルの活用範囲がさらに広がることが見込まれている。

アンカレッジ・デジタルは今回の発表において、自社のステーブルコイン発行プラットフォームを活用することも明らかにした。このプラットフォームは、規制に完全準拠したデジタルドルを機関投資家が簡便に発行・流通できるソリューションとなっている。

アンカレッジ・デジタルのCEOで共同創業者のネイサン・マコーレー氏は、「ジーニアス法の成立によって、当社のような連邦規制機関の下で活動する機関がステーブルコイン分野に本格参入する道が開けた。今回のエセナとの連携を通じて、透明性と信頼性を高め、持続可能な金融インフラの基盤を築いていく」と述べた。

一方、エセナ・ラボのCEOであるガイ・ヤング氏は、「USDtbはすでに高い需要を得ているが、ジーニアス法準拠によりその活用はさらに広がるだろう。唯一の連邦認可仮想通貨銀行であるアンカレッジ・デジタルとの提携により、速度・柔軟性・信頼性を損なうことなく、さらなる拡大が可能になる」と期待を示している。

規制とイノベーションの融合は、仮想通貨の普及と安定性に不可欠である。今回のように規制に準拠した銀行がステーブルコインを発行する動きは、デジタル資産市場の信頼性を高め、機関投資家の参入を促す契機となる。金融の未来は、こうした規制対応型の基盤に支えられてこそ、健全な成長を遂げられるであろう。

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