「2030年までに中央銀行がビットコイン・金を準備資産保有へ」──ドイツ銀行が予測

shoko-koyama
10 Min Read
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ドイツ銀行リサーチは7日、「Gold’s reign, Bitcoin’s rise: The future of central bank reserves by 2030」と題したレポートを発表し、2030年までに世界各国の中央銀行がビットコインと金の両方を主要な準備資産として保有するとの予測を示した。

同行のロンドン拠点シニアエコノミストのマリオン・ラブレ氏とアナリストのカミラ・シアソン氏による分析では、米ドル弱体化と地政学的リスクの高まりを背景に、ビットコインが「20世紀における金の役割を反映した現代的な金融安全保障の礎石」となる可能性を指摘している。

ビットコインのボラティリティが歴史的低水準に

レポートによると、ビットコインは2025年に8月に123,500ドル、10月には約125,000ドルまで急騰する記録的な年となっている。同時に、90日ボラティリティが歴史的低水準まで低下しており、価格上昇と変動率の分離現象が確認されているという。

この現象について両アナリストは「機関投資家の採用拡大により、ビットコインの価格とボラティリティの段階的な分離が進んでいる」と分析。固定供給量(2,100万枚上限)、分散型特性、流動性向上、他資産クラスとの低相関性といった金と類似した特徴により、インフレヘッジや地政学的変動に対する「安全資産」としての地位を確立しつつあると評価した。

企業採用が中央銀行の道筋を構築

レポートは、企業レベルでのビットコイン採用が中央銀行参入への基盤を築いていると指摘。ストラテジー(旧マイクロストラテジー)が640,031BTC(総供給量の3.08%)を保有するなど、企業の先行導入により制度的信頼性が向上していると分析した。

また、2024年1月の米国ビットコインETF承認を転換点として挙げ、ビットコインの合法化への道筋が加速したと評価。現在のビットコイン市場規模は2.2兆ドル超に達し、暗号資産市場全体の58%以上を占めるまでに成長している。

米国戦略的ビットコイン準備構想が国際標準に

レポートでは、米国の戦略的ビットコイン準備構想についても詳述。現在各国政府が合計517,296BTC(総供給量の約2.463%)を保有しており、米国単独では198,021BTC(約247億7,000万ドル相当)を保有していると報告した。

トランプ政権下での「米国ビットコイン法案」により、総供給量の約5%にあたる100万BTC取得計画が検討されており、これが国際的な金融標準設定に影響を与える可能性があると分析している。

同レポートは「ビットコインと金の両資産が2030年までに中央銀行のバランスシートに登場する」との結論を示し、両資産の補完的多様化効果、ビットコインの成熟、米ドルの持続性を根拠として挙げている。

※本記事の価格・数値データはドイツ銀行レポート(2025年10月7日発行)に基づくもので、最新の市場価格とは異なる場合があります。

仮想通貨の最新情報を逃さない!GoogleニュースでJinaCoinをフォロー!

JinaCoinメルマガ開始
Share This Article
仮想通貨歴5年。ニュース記者歴3年。常に仮想通貨ニュースを追う。情報ソースを追究し正しい情報をわかりやすく伝えることに努めている。仮想通貨は下落するたび買い増すタイプで、主にステーキングで資産運用中。
コメントはまだありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA

厳選・注目記事

YouTube