平均保有期間の短縮、短期売買が活発化
オンチェーンデータ分析プラットフォーム「Santiment(サンティメント)」は29日、休眠状態にあった大量のXRP(エックスアールピー)が市場で再び動き出していると公式Xで報告した。同社はこの現象が、「現在の価格高騰や強気相場の継続を示す重要な兆候だ」と独自の見解を示している。
サンティメントによれば、XRPは過去1ヶ月で約46%の価格上昇を見せており、現在も強いサポートラインとされる3.15ドル付近の水準を維持していると指摘。執筆時点でのXRP価格は約3.12ドルで推移しており、日足レベルでは一旦上昇が抑えられた格好だ。だが、直近で長い下ヒゲを見せるローソク足が連続していることからも、このサポートレベルが上昇トレンド中の押し目として多くの投資家に認識されていると分析できる。

こうしたXRPの強気な価格推移の背景に、休眠資産の活動再開があるとサンティメントは強調している。同社が共有したチャートを確認すると、休眠状態のXRPが大きく動いたことを示す「Age Consumed(XRP)」が、過去数日の間で目立つスパイクを形成している。この動きは明らかにXRP価格高騰のタイミングと重なっており、古いウォレットによる流動性が市場に供給されていることを示唆している。
さらに、平均投資期間を示す「Mean Dollar Invested Age(XRP)」は、直近で急速に下落を描く形で推移。サンティメントによると、XRPの平均投資期間は過去1ヶ月で91日も短縮されているという。この動きは、市場の流動性が高まったことで、以前よりも短期的な売買が活発化していることを示している。
休眠資産が動き出す要因のひとつとして、投資家による利益確定のための売りの動きが考えられる。だが、オンチェーンデータ分析プラットフォーム「CoinGlass(コイングラス)」が提供するデータでは、2024年終わり頃より暗号資産(仮想通貨)取引所へのXRP流入が抑えられる一方、顕著な流出が継続していることを確認できる。

この動きからは、投資家が売却よりも、長期保有や外部ウォレットへの移動を優先している様子がうかがえる。市場におけるXRPの売り圧の低さと買い意欲の強さを裏付ける材料と言えるだろう。
XRP市場ではこうしたオンチェーン指標の動きと価格推移が密接に連動しており、投資家や市場心理を読み解く上で重要なシグナルとなる。休眠資産の活性化や短期トレードの活発化、そして取引所からの資産流出という3つの要素が重なり合う中、XRPは依然として強気な基調を維持している。今後、現在のサポートを後ろ盾としてさらなる価格上昇を見せてくれるか。XRPのこれからの価格動向に目が離せない。
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