国際送金大手のウエスタンユニオンは28日、新たな米ドル連動型ステーブルコイン「U.S. Dollar Payment Token(USDPT)」と、「デジタル・アセット・ネットワーク」構想を発表した。
アンカレッジ・デジタルが発行を担当、2026年前半にローンチ予定
発表によると、USDPTはソラナブロックチェーン上で構築され、連邦規制下のデジタル資産銀行であるアンカレッジ・デジタル・バンクによって発行される。
ウエスタンユニオンは、この取り組みが「デジタルとフィアット(法定通貨)の世界を橋渡しする」ものであり、「デジタル資産の実世界での活用を可能にする」ことが目的であるとした。
この提携により、ウエスタンユニオンのグローバルなデジタル基盤、ソラナの高性能ブロックチェーン技術、そしてアンカレッジ・デジタルの規制に準拠した発行・カストディソリューションが統合される。
ウエスタンユニオンのデビン・マクグラナハン社長兼CEOは、「我々は、金融サービスをすべての人にアクセス可能にするという使命を達成するためのイネーブラー(実現要因)となる」と述べた。
暗号資産送金の「ラストマイル」を担う
また、ウエスタンユニオンは、USDPTとは別に「デジタル・アセット・ネットワーク」構想を発表した。
これは、ウォレットプロバイダーと提携し、ウエスタンユニオンのグローバルネットワークを活用することで、顧客がデジタル資産を現金化するためのシームレスな「オフランプ(出口)」を提供するソリューションであり、マクグラナハン氏は「暗号資産(仮想通貨)の旅のラストマイル」を担うものだとした。
ウエスタンユニオンは、USDPTが2026年前半に利用可能になる見込みであると述べている。将来的には、USDPTを活用し、コンプライアンスに準拠した安全かつ低コストな国境を越えたデジタル送金を実現することで、世界の送金方法を根本的に変革することを目指す。
すでに多くの米ドル連動型ステーブルコインが発行されているなかで、USDPTがいかに差別化ポイントを生み出すのか。今後の動向を注視したい。
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