【今週の暗号資産】BTC現物ETFに4700億円流入で最高値目前──来週は雇用統計・FOMCが焦点

JinaCoin編集部
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今週初めは様子見ムードが漂っていたが、月曜日夕方からは非常に強い値動きが続き、ビットコインは最高値の12万4,000ドルをブレイクする勢い。主要アルトコインも総じて右肩上がりの値動きを見せた。仮想通貨市場にとってポジティブなニュースと、大規模な仮想通貨現物ETFへの流入が強気相場を後押しした。

ビットコインは最高値目前 イーサリアムは重要なラインのレジサポ転換を試す動き

出典:Trading View

ビットコインは日本時間28日の午後まで10万9,000ドル付近でもみ合っていたが、夕方から上昇を開始。29日の夕方には下降チャネル上限(白線で描画)を前に一時反落したが、その後弱いADP雇用者の結果による利下げ観測の高まりにより再上昇。11万5,000ドル付近のチャネル上限を突き抜け、小さな調整を挟んだものの10月3日には最高値(青線で描画)付近まで到達。その後利益確定や高値掴みしていたロング勢の損切などにより12万4,000ドル手前で反落したものの、強気の勢いは継続している。

出典:Trading View

イーサリアムもビットコイン同様、29日午後まで4,000ドル付近の下値サポートライン(紫の線で描画)上でもみ合っていたが、その後上昇開始。何度も価格が跳ね返されている重要な4,250ドル付近のレジスタンス(青線で描画)で一度反落するも、10月1日にライン上抜けした後は更に勢いを増して上昇。次の重要な4,500ドルの抵抗線(白線で描画)を一時ブレイクし、現在はレジサポ転換を確認している状態だ。

ビットコイン・イーサリアム共に1週間を通して右肩上がりだが、短期間で買われすぎな印象もあるため、一時的な調整が発生する可能性がある。とはいえ基本的な地合いとしては強気相場継続と考えてよいだろう。

ビットコインETF・イーサリアムETF共に5日連続の純流入 機関投資家の強気姿勢を示唆

出典:FARSIDE INVESTORS

ビットコイン現物ETFは週の合計32億3,600万ドル(4771億2,000万円)の非常に強い純流入。特に10月3日には9億8510万ドル(1452.4億円)と非常に大規模な流入があり、高値圏でさらなるモメンタムの加速を感じる。

出典:FARSIDE INVESTORS

イーサリアム現物ETF市場は、週合計で約12億9,600万ドル(約1,910億円)の純流入を記録。5日間すべてがプラスで終わり、ビットコイン同様に資金の流入基調が継続している。しかし、週初めの5億4,690万ドル(約807億円)流入に対し、金曜日は2億3,350万ドル(約344億円)プラスに留まっており、ビットコインに比べるとやや勢いの低下を感じる。

利下げ観測の高まり 1兆円のBTC財務戦略 コインベース株の格上げなどが市場を後押し

今週前半は米政府閉鎖懸念により値動きは慎重だったが、1日に発表された弱いADP雇用者数や、ストラテジー(旧まマイクロストラテジー)のマイケル・セイラー氏による1兆ドル(約147兆4,400億円)規模のビットコイン財務戦略発表などにより、風向きが一気に変化。

さらに、投資銀行「Rothschild & Co Redburn(ロスチャイルド&カンパニー・レッドバーン)」が2日、コインベース株の投資判断を「中立(Neutral)」から「買い(Buy)」に引き上げたニュースも、市場全体の追い風となっている。

来週の焦点は雇用統計とFOMCだが政府閉鎖長期化で強めの調整も

今後は米政府閉鎖の解除、延期されている雇用統計の発表が行われるかどうかが市場を左右するキーポイントとなりそうだ。また、日本時間の8日午前3時ころ、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨の発表が控えており、さらなる政策金利引き下げを示唆する内容だった場合は市場のムードも更に加熱するだろう。

一方米政府閉鎖が長期化した場合、不確実性の高まりと経済政策停滞に対する不安感から相場が崩れる可能性も。

出典:Poly market

ポリマーケットでは、10月15日以降まで政府閉鎖が続くとの予想が過半数以上。この予測通りになった場合、雇用統計やFOMCの発表も延期される可能性が高いため、買い材料の枯渇による急落にも注意が必要だ。

出典:coinglass

また、ビットコインの清算ヒートマップを見ると、16万ドル~17万ドル付近に大規模なロングの流動性クラスターが発生。最高値更新の前に、大量のロスカットを狙ってこの価格帯を目指す可能性も考慮しておこう。

基本的な目線としてはビットコイン・イーサリアムともに強気と考えてよいが、短期的には利益確定や政府閉鎖長期化からの不確実性の高まりによる調整にも警戒が必要だ。逆に新規でのロングエントリーを狙っている場合は、短期的な下落が絶好のチャンスとなるかもしれない。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.44円)

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