「Native Markets(ネイティブ・マーケッツ)」が発行権を持つ米ドル連動型のステーブルコイン「USDH」が24日、Hyperliquid(ハイパーリキッド)上で稼働開始したことが明らかになった。ネイティブ・マーケッツによると、過去24時間で1,500万ドル(約22億円)を超えるUSDHがすでにミントされているという。
今後はHyperCoreでの現物板や直接ミントを実装予定
USDHはハイパーリキッドが展開するHyperEVM上で直接ミントされる設計となっており、同ネットワーク内における基盤的なステーブルコインとなることを目指している。現時点でユーザーは発行主体「Bridge(ブリッジ)」を通じて法人確認(KYB)を行うことで、手数料無料でUSDHのミントを進められるという。
ネイティブ・マーケッツは今月15日、ハイパーリキッドのコミュニティ投票を経て、正式にUSDHのティッカーを獲得したことを報告。一部ユーザーを対象とした少額での発行・償還テストや現物取引の公開を順次進めていくことを共有している。今回のハイパーリキッド上での稼働は、これらの取り組みを本格化させるための第一歩となった。
またネイティブ・マーケッツはUSDHの稼働開始に併せ、ハイパーリキッドの独自トークン「HYPE」のバイバックを担う基金「Assistance Fund(アシスタンスファンド)」への寄付を開始。USDHが生み出す収益の一部(1ドルにつき50セント)を寄付するとしている。基金の活動を後押しする仕組みによりUSDHはもちろん、HYPEのトークン価値安定や成長が促される可能性が期待される。
今後の展開としては、HyperCoreでのネイティブミントやUSDCペアによる現物注文板の実装、さらにHIP-3でのUSDHを活用した証拠金無期限注文板の導入など複数のステップが計画されている。USDHを活用した多様な取引オプションが拡充されることで、より戦略的かつ効率的な取引体験の提供が可能になるだろう。
ハイパーリキッド上ではすでに、USDhlやUSDeなどの競合ステーブルコインが展開している。今後、USDHがこれらのステーブルコインよりも優位性を発揮し、どのようにハイパーリキッド上での覇権を握っていくのか。本格稼働したこれからの動向に注目が集まりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.83円)