英国、仮想通貨レンディングの課税方式を見直しへ──NGNL方式で最終処分時のみ課税

shoko-koyama
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Highlights
  • 英国政府が暗号資産のレンディング(貸付)・流動性プール取引に対する課税方式の見直しを公表
  • 従来のレポ取引方式からNGNL(ノーゲイン・ノーロス)方式へ転換し、最終的な経済的処分時のみ課税
  • 単一トークン・借入・AMM取引の3類型でルール整備、利害関係者から強い支持を得る

英国政府は26日、暗号資産(仮想通貨)のレンディング(貸付)・流動性プール取引に対する課税方式の見直しに関する協議の回答をまとめた文書を公開した。英国歳入関税庁(HMRC)は、2023年4月27日から6月22日まで実施した協議で32件の正式回答を受領し、これを踏まえて従来のレポ取引方式に代わる「NGNL(ノーゲイン・ノーロス)方式」の導入を検討している。

NGNL方式で課税を簡素化

NGNL方式は、暗号資産をレンディングプラットフォームやAMM(自動マーケットメーカー)に預け入れた段階では課税せず、最終的な経済的処分時にのみキャピタルゲイン税(CGT)を課す手法だ。この方式により、レンディング時や借入時の複雑な処理が不要となり、管理負担が大幅に軽減される。

HMRCは、単一トークンのレンディング取引、暗号資産の借入、AMM取引の3つの類型について、それぞれNGNL方式の適用を提案している。単一トークン取引では、同一種類の暗号資産を貸し出して返済を受ける場合に適用され、借入取引では担保提供と返済時にNGNL方式が適用される見込みだ。AMM取引では、流動性プールへの預入時と引き出し時に課税を行わない方針である。

協議に回答した利害関係者の全員が、NGNL方式への転換を支持した。また、約3分の1の回答者は、従来のレポ取引方式が暗号資産の経済実態に合わないとして懸念を表明していた。HMRCは、年間取引額が5万ポンドを超える場合に報告義務を課す方針も示している。

今後、HMRCはソフトウェア事業者や利害関係者との更なる協議を進め、具体的なルール整備を行う予定だ。

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仮想通貨歴5年。ニュース記者歴3年。常に仮想通貨ニュースを追う。情報ソースを追究し正しい情報をわかりやすく伝えることに努めている。仮想通貨は下落するたび買い増すタイプで、主にステーキングで資産運用中。
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