米企業ストラテジーの株価が14日、210ドルを割り込み再び安値を更新した。執筆時点では前日比7%安の208.54ドルで取引されており、7月につけた直近の最高値から約53%下落している状況だ。

株価低迷も、長期戦略の方針は継続する姿勢
今回の株価下落の要因は、ビットコイン価格の下落とみられる。ビットコインは13日、終値で再び100,000ドルを割り込んだ。執筆時点では99,436ドルで推移しており、10月からの売り圧に押し込まれている状況だ。今後は明確に安値ゾーンをブレイクしていくのか、またはこのゾーンを背に反発してくるのかが注目される。

ストラテジーをはじめとしたビットコイン財務戦略企業は、ビットコイン価格に大きく依存する構造を持つ。ビットコインの変動が財務状況や投資家の評価に直結するため、今回の下落局面では株価も同様に調整が進んだ形だ。
暗号資産(仮想通貨)分析企業コイングラスのデータによると、ストラテジーの時価総額は645億4,000万ドル(約9.9兆円)、時価総額から負債現金を調整した企業価値は750億ドル(約11.5兆円)となっている。
一方で、株価が企業の純資産価値(NAV)に対して何倍で取引されているかを示す「NAV倍率」は、0.989と1を下回っており、市場は純資産価値よりも少し低い形でストラテジーを評価。この水準は、投資家が同社の将来戦略に慎重な姿勢を取っている可能性を示している。
株価が下がり続ける一方、ストラテジーはビットコイン取得を継続している。同社は10日、約4,990万ドル(約77億円)を投じて487 BTCを追加取得したと発表。総保有量は641,692 BTCに拡大した。ビットコインの長期的な価格上昇を前提にした財務戦略を崩す様子は見られず、むしろ保有量を増やし続ける姿勢を明確にしている。
ビットコイン市場の調整局面が続く中、ストラテジーの株価動向と保有戦略の評価は投資家心理を大きく左右するとみられる。同社が進める長期的な方針が市場にどのような影響を与えるか、今後も注目していきたい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.4円)




