ナスダック上場の国内リーガルテック企業「株式会社Robot Consulting(ロボット・コンサルティング、ティッカーコード:LAWR)」は4日、最大10億円規模となるイーサリアム(ETH)投資計画を発表した。資金の一部は7月の新規株式公開(IPO)で調達した現金から充当される。
ナスダック上場後初のIRで発表、段階的に取得予定
投資は2025年秋から2026年春にかけて段階的に実施予定で、四半期ごとに時価評価を行い、損益は年次決算に反映する方針だ。
同社の代表取締役会長である横山英俊氏はXへの投稿で、ナスダック上場後初のIRとして、「Metaplanet(メタプラネット)」ではなく「Bitmine(ビットマイン)」を手本にしたイーサリアムトレジャリー戦略を掲げ、まずは10億円分の購入に踏み切る姿勢を示した。
タクール・アミットCEOはプレスリリースで、「今回のイーサリアム投資は、当社のブロックチェーン戦略とリーガルテックのビジョンを統合する大きな一歩だ。技術基盤として、また投資対象としてイーサリアムを活用することで、企業価値向上と法律サービスの普及を両立させていく」と語った。
ロボット・コンサルティングは労務管理クラウド「労務ロボ」や、メタバース空間でのAI法律相談サービス「ロボット弁護士」を展開しており、ブロックチェーン技術の活用を事業に取り込んできた。今回のイーサリアム投資も、単なる財務戦略ではなく事業基盤とのシナジーを意識したものと位置付けている。
模範とされたBitmineの動向
横山会長が言及したビットマインは、世界有数のイーサリアム保有企業である。オンチェーンデータ追跡プラットフォーム「Arkham Intelligence(アーカム・インテリジェンス)」のデータによれば、ビットマインは約179.7万ETH(評価額約77億ドル)を保有しており、直近でも積極的な取得を続けている。3日には約14,600 ETH(およそ6,500万ドル相当)を、さらに翌4日には約6,700 ETH(約2,950万ドル相当)を追加しており、わずか数日の間に2万ETHを超える規模のポジションを拡大した。

今回のロボット・コンサルティングの発表は、国内企業としては極めて異例の「イーサリアム集中型トレジャリー戦略」だ。日本企業がナスダック上場後に同様の戦略を打ち出すのは初めての事例となる。こうした動きは、グローバルなデジタル資産財務戦略の新潮流として、投資家や暗号資産(仮想通貨)業界からの 関心が高まりそうだ。
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