「ポリゴンはイーサリアムに正当に評価されていない」共同創業者が批判

ヤマダケイスケ
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イーサリアムのレイヤー2ソリューション、ポリゴン(Polygon)の共同創業者サンディープ・ネイルワル氏が21日、自身の公式Xでイーサリアムコミュニティの排他性を強く批判した。同氏は、長年イーサリアムに忠誠を持って貢献してきたにもかかわらず、ポリゴンが正当に評価されていないことに対して強い不満を示している。

イーサリアムの排他的姿勢に不満、レイヤー2の正当性を主張

批判の核心は、イーサリアムコミュニティがポリゴンのようなエコシステムへ多大に貢献するプロジェクトを、「技術的定義に厳密に当てはまるか」といった恣意的なルールを盾にして排除しようとする点だ。ネイルワル氏はこれを「社会主義的」と表現しており、定義への絶対的な従順を求める風潮に強い反発を示している。

また、技術的にイーサリアムに強く依存することから、イーサリアムコミュニティがポリゴンを「本物のレイヤー2」として認めていないと強調。一部市場指標でポリゴンが「イーサリアム関連銘柄」のカテゴリから意図的に外されており、正当な評価を得られていないとネイルワル氏は指摘する。

こうした不満を表明する一方で、ネイルワル氏は「レイヤー2の物語を復活させるための最後の試みを数週間以内に行う」と宣言。具体的な計画は明らかにしていないものの、ポリゴンを真のレイヤー2として再定義し、技術的正当性を確立するための新たな取り組みである可能性が高い。

ブテリン氏が応答、ネイルワル氏とポリゴンの技術的貢献を高く評価

ネイルワル氏の投稿を受けてか、イーサリアムの共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏も同日に公式Xを更新。ネイルワル氏の個人的な貢献とポリゴンのこれまでの功績を高く評価し、深い感謝の意を述べた。

ブテリン氏は、ポリゴンが非金融系アプリのホストやブロックチェーンインフラ構築などで果たしてきた役割を挙げ、その技術的貢献を評価。また、ポリゴンが早期からZK-EVM(ゼロ知識証明を用いたEVM互換技術)に多大なリソースを投じていた点にも言及し、早期段階での貢献を背景に市場から評価されていない現状にも理解を示した。

さらにブテリン氏は、ZK技術が急速に進化している現状を踏まえ、「ポリゴンのPoS(プルーフ・オブ・ステーク)チェーンがこの技術を統合することで、イーサリアムの完全なセキュリティ保証を享受できるようになることを望んでいる」とポリゴンに対しての期待をあらわにしている。

ネイルワル氏の発言とブテリン氏の応答は、エコシステム内での「本物のレイヤー2」とは何かという問いを改めて浮き彫りにした。今後、ポリゴンがどのような形でその存在意義を再定義していくのか、暗号資産(仮想通貨)業界からの注目は一層高まりそうだ。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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