オープンシー、NFT専門から全仮想通貨取引へ事業転換──DEXアグリゲーター導入で業績回復

水澤 誉往
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NFT市場の崩壊で苦境に陥っていた大手NFTマーケットプレイスのOpenSea(オープンシー)が、DEX(分散型取引所)アグリゲーター機能を導入し、NFTに加えて全暗号資産(仮想通貨)の取引が可能なプラットフォームへ事業転換を図っていることが15日、フォーブスの報道で明らかになった。

ユニスワップやメテオラなどの複数DEXから売買注文を集約し、22のブロックチェーンに対応することで、ミームコインを含むあらゆるトークンの取引を可能にし、3年ぶりの業績回復を実現している。

NFT市場崩壊で従業員半数以上を解雇

2022年半ばから始まったNFT市場の崩壊により、オープンシーの月間売上高は2022年1月のピーク時1億2,500万ドルから2023年10月には300万ドルまで、実に97%以上も急減した。共同創業者兼CEOのデビン・フィンザー氏は従業員の半数以上を解雇し、現在は従業員60人、契約社員10人の体制で運営されている。

事業転換のアイデアは、暗号資産トレーディングファンドを運営していたフィンザー氏の妻ユー・チー・ライラ・クオ氏から生まれた。フィンザー氏は「彼女をオープンシー2.0のサイレント共同創業者と考えている」と述べている。

新戦略では、オープンシーはユニスワップやメテオラなどの分散型取引所から売買注文を集約し、22の異なるブロックチェーン全体で取引可能にした。これによりミームコインブームにも対応できる体制を整えた。

2025年10月は3年ぶりの最高月間取引高を記録

2025年10月最初の2週間で、オープンシーは16億ドルの暗号資産取引と2.3億ドルのNFT取引を記録した。5月の全取引量が1.42億ドルだったことを考えると劇的な回復だ。オープンシーは全取引に対して約0.9%の手数料を徴収しており、過去2週間で1,600万ドルの収益を上げた。

一方、かつてオープンシーを圧倒した競合のBlur(ブラー)は事実上消滅状態となっている。ブラーの取引量は2023年初頭の10億ドル超から先月は9,200万ドルまで減少した。

規制リスクは残る課題

オープンシーは本人確認(KYC)チェックを実施しない方針を取っており、これが将来的な規制リスクとなる可能性がある。フィンザー氏は「資産を預からない非管理型アーキテクチャのため法的に必要ない」と主張し、ブロックチェーン分析企業を利用して制裁対象アドレスのチェックを行っていると説明している。

フィンザー氏は「すべてのトークンを取引できる場所というビジョンのほんの一部にすぎない」と述べ、近く新しいモバイルアプリの立ち上げやオープンシーの独自トークンのリリースも予定している。

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SOURCES:フォーブス
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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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