財務省、国債のオンチェーン化を検討──新形態の国債発行も類型に

財務省、国債のオンチェーン化を検討──新形態の国債発行も類型に
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JinaCoin編集部
4 Min Read
Highlights
  • 8日、財務省が国債のオンチェーン対応に関する研究会の初会合。理財局次長が主催し、日銀と金融庁がオブザーバー
  • 事務局資料は取り組みを3類型に整理。振替決済制度の外のブロックチェーンで新形態の国債を発行する類型も
  • 海外ではブラックロックのBUIDLや英国のデジタル国債DIGITなどの例。12月〜翌年1月をめどに議論を整理

財務省は8日、国債の取引や決済にブロックチェーンを活用する方策を話し合う「国債のオンチェーン対応に関する研究会」の第1回会合を開いた。同日付の事務局の説明資料は、国内の取り組みを3つの類型に整理し、海外の事例やメリット、課題を示した。類型やメリットなどの整理は、議論の出発点としての暫定的なものだという。

財務省の国債オンチェーン研究会、法学者や市場の専門家ら5人

研究会は理財局次長の主催で、委員は次の5人。日本銀行と金融庁がオブザーバーとして加わる。

委員所属
加藤貴仁氏東京大学大学院法学政治学研究科 教授
加毛明氏東京大学大学院法学政治学研究科 教授
篠潤之介氏早稲田大学国際学術院 准教授
森田長太郎氏オールニッポン・アセットマネジメント チーフストラテジスト兼ウォールズ&ブリッジ代表
柳川範之氏東京大学大学院経済学研究科 教授
財務省「国債のオンチェーン対応に関する研究会」の開催について(9月30日)をもとにJinaCoinが作成

会議は非公開で、議事要旨と配布資料を後日公開する。財務省は、12月から翌年1月をめどに、それまでの議論の内容を整理する予定としている。

説明資料によると、研究会では「オンチェーン対応」を、資産をブロックチェーン上で扱えるようにするトークン化だけでなく、購入や保有、売却、貸し出し、利払いなどの一連の手続きをブロックチェーンで効率化し、それに伴うシステムの改修や業務の変更、市場慣行の形成まで含めた取り組み全体と位置付ける。

国債のオンチェーン対応、財務省が示した3つの類型

説明資料は、国内でも多くの主体が国債のオンチェーン対応を進めているとして、ヒアリングで聞いた事例を次のように分類した。

類型内容
類型1国債などで運用する投資信託(MMF)の受益権を、ブロックチェーン上でやり取りする
類型2-A現行の振替決済制度のもとで、1つの口座管理機関(証券会社など)の振替口座簿をオンチェーン化する
類型2-B複数の口座管理機関の振替口座簿をオンチェーン化し、機関どうしで連携する
類型2-C口座管理機関に加え、振替機関である日本銀行の振替口座簿までオンチェーン化する
類型3振替決済制度の外のブロックチェーン上に、新しい形態の国債を発行する
財務省 事務局説明資料(10月8日)をもとにJinaCoinが作成

現在の国債は、振替口座簿の記録を書き換えて権利を移す振替決済制度で取引されている。決済は約定の翌営業日(T+1)で、日本銀行のシステム「日銀ネット」で国債と資金を同時に受け渡している。

資料は、市場参加者のメリットとして、担保や流動性の管理の効率化を挙げた。特に海外投資家への効果を想定する。ブロックチェーン上で資産を持つ参加者には、待機資金の安定した運用先になり得るという。

政策面では、国債市場の機能や強靭性の向上、新たな投資家層の獲得による安定消化、国際競争力の維持を挙げた。

一方で、市場の分断(フラグメンテーション)により、必要な流動性の総量が増える可能性を指摘した。24時間365日の取引が実現した場合、価格の急変が広がるのを抑えにくくなる点や、制度、システム、業務の課題とコストも挙げている。

国債のオンチェーン化、海外では民間と政府の双方が取り組み

説明資料によると、海外の民間では、暗号資産(仮想通貨)やステーブルコインの広がりに伴い、ブロックチェーン上で使える投資手段へのニーズが高まっている。こうした背景のもと、ブラックロックなどが取り組みを進めている。

主体取り組み
ブラックロック2024年3月から、オンチェーンのMMF「BUIDL」を機関投資家向けに提供。運用残高は約23億ドル(約3,630億円、2026年5月12日時点)
JPモルガン、ブロードリッジMMFなどを担保にしたレポ取引や決済のデジタル化に向け、それぞれKinexys、DLRを運営
DTCCとDigital Asset2025年12月、DTCが保管する米国債をCanton Network上でオンチェーン化する提携を発表
英国2024年から、デジタル英国債「DIGIT」の発行に関するパイロット事業を実施
スロベニア2024年に、デジタル国債を発行する実証実験を実施
財務省 事務局説明資料(10月8日)をもとにJinaCoinが作成

公的主体では、英国がロンドンの国際金融拠点としての競争力の維持や、英国債の発行・決済の効率化を目的に掲げている。

DTCCは7月、保管する証券をトークンに変換し、本番環境で取引を処理したと発表している。

財務省は、メリットや類型の整理について、今後の研究会での議論や事業者へのヒアリングを通じて補足していくとしている。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.81円)

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JinaCoin編集部です。JinaCoinは、株式会社jaybeが運営する仮想通貨情報専門メディアです。 正確性・信頼性・独立性を担保するため編集ガイドラインに沿って、コンテンツ制作を行なっています。 一般社団法人 ブロックチェーン推進協会所属
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