カルダノ創業者チャールズ・ホスキンソン氏が主導するミッドナイト・ネットワークが30日、正式稼働を開始したと発表した。これにより、開発者や機関投資家は同ネットワーク上でのアプリケーション展開や資産移行が可能になる見通しだ。
ゼロ知識証明で機密データの保護とオンチェーン処理を両立
これまでのブロックチェーンはパブリックな台帳上で動作するため、機密性が求められる不動産やプライベートエクイティ、債務といった実物資産のデジタル化が困難だった。その点、ミッドナイトはプライバシー・コンプライアンス・アクセシビリティの3課題を同時解決する設計で、オンチェーン化の壁を取り除くことを目指す。
技術的な核心は「ゼロ知識証明」の活用にある。機密データはユーザーのデバイス上に留まったまま、証明だけをネットワークに送信するため、データ流出のリスクなしに身元確認や与信審査をオンチェーンで完結できる。加えて「選択的開示」機能により、規制当局や監査人にのみ必要な情報を提供することも可能だ。
なお、開発言語にはタイプスクリプトをベースにした独自言語「コンパクト」を採用。暗号の専門知識がなくても、プライバシー機能付きのアプリを開発できる環境を整えている。
NIGHT・DUSTの二層構造で予測可能な運用コストを実現
経済設計はガバナンストークン「NIGHT
NIGHT」とトランザクション用リソース「DUST」の二層構造を採用している。DUSTはNIGHTの保有量に応じて生成され、7日間で満充電になるバッテリー型の充電モデルで動作する仕組みだ。
この仕組みにより、開発者がユーザーのトランザクションコストを代わりに負担することが可能になる。Web3特有のコストを意識させない設計が実現することで、ユーザーが暗号資産(仮想通貨)を意識せずにサービスを使えるアプリ開発の道が開かれている。
9社のパートナーとともに始動、将来は完全分散型ネットワークへ
ミッドナイト・ネットワークのローンチには、グーグル・クラウドやマネーグラム、ワールドペイなど計9社がノード運営パートナーとして参加した。「この規模の組織が、パブリックネットワーク上でライブアプリケーションの構築・デプロイにまでコミットしたのは初めてのことだ」とホスキンソン氏は述べている。
現在はセキュリティと安定性を優先した段階的な展開フェーズにあり、運営母体であるミッドナイト財団は将来的に完全分散型・パーミッションレスのネットワークへの移行を計画しているという。
プライバシーとコンプライアンスという長年の課題に真正面から向き合ったミッドナイトの稼働は、暗号資産業界にとっても大きな転換点となりそうだ。大手企業を巻き込んだエコシステムが、今後どこまで広がりを見せるかに注目したい。
関連:テンポがメインネット稼働、ストライプ共同のMPPでAIエージェント決済を標準化
関連:edgeXのエッジチェーン、ネイティブUSDCとCCTPが正式稼働──機関向け決済基盤が整う
関連銘柄:
NIGHT
ADA




