ビットコイントレジャリー戦略を分析する「mNAV.com」が、日本の上場企業「株式会社メタプラネット(証券コード:3350)」およびビットコイントレジャリー企業に関する直近の状況を分析した。
ビットコイントレジャリー企業の保有量増加率は全体的に鈍化
同社が4日に投稿した分析によれば、多くのビットコイントレジャリー企業で「ビットコイン保有量の増加率(BTC Yield)」が低下していることが示されている。
企業のビットコイン保有量が増えれば増えるほど、高い増加率を維持するのは非常に困難になるためこれは当然の現象ではあるものの、mNAV.comは「このチャートを注視し、どのビットコイントレジャリー企業が立ち直り、どの企業が買収対象になるかを見極めるべき局面にある」とコメント。
多くの企業で買い増しペースが鈍化する中で、どの企業が今後も高い増加率を維持し続けられるかが、生き残りの鍵になると見ているようだ。
メタプラネット株価と本質的価値は大きく乖離
4日、mNAV.comはメタプラネットに関する分析も発表している。
投稿に添付された図は、メタプラネットの実際の株価(黒線)と、同社が保有するビットコインの価値から算出した理論上の価値を比較したものである。グラフによれば、現時点での適正価値は1,617円、来年5月には3,344円程度まで上昇する見通しが示されている。
メタプラネットが保有するビットコインを株数で割った「1株あたりのビットコイン価値」を示すオレンジ線が右肩上がりとなっている一方で、同社の株価は2025年5月をピークに下落している。そして株価は、mNAV.comが「公正価値」とみなしている緑破線を大きく下回っており、株価と企業の本質的価値(=保有しているビットコインの価値)に乖離が生じていることがわかる。
この乖離についてmNAV.comは「これがどう展開していくかを見るのは面白そうだ」とコメント。メタプラネットの現在の株価は、同社が保有するビットコインの価値に比べて著しく割安であり、今後その価値が見直される展開があるのかという点に注目しているようだ。
メタプラネットはリスク・リターンのバランスが取れて「安定的」
さらに6日、mNAV.comは「mNAV」とBTC Yieldを比較し、リスクとリターンのバランスを示したポジショニングマップを公開。「mNAV」は企業のビットコイン保有量と株式の市場価値を比較し、企業が保有するビットコインにどれだけのプレミアムが乗っているかを示す指標である。
同社の図によれば、メタプラネットは比較的リスク・リターンが低めで、「安定的(Stable)」と分類される立ち位置となっている。
以上の分析をまとめると、メタプラネットはビットコイントレジャリー企業の中では比較的安定的な立ち位置で、保有するビットコインの価値に対して株価が割安、という評価になる。国内においてもビットコイントレジャリー企業への注目度が高まる中で、客観的な評価の一つとして参考にしたいところだ。
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