NYSE親会社ICEの統合フィードデータを活用、2,000超アプリケーションに耐改ざん性データを提供
分散型オラクルネットワークの「Chainlink(チェーンリンク)」と「ニューヨーク証券取引所(NYSE)」の親会社「インターコンチネンタル取引所(NYSE: ICE)は11日、ICE Consolidated Feedの高品質な外国為替・貴金属レートをChainlink Data Streamsを通じてオンチェーンで配信する提携を発表した。
これにより、チェーンリンクエコシステム内の2,000以上のアプリケーション、主要銀行、資産運用会社、インフラが高品質な金融データにアクセス可能となる。
30兆ドル規模のトークン化市場に対応、機関投資家グレードのオンチェーン基盤を構築
ICEは世界300以上の取引所・マーケットプレイスのコンテンツを網羅するICE Consolidated Feedを通じて、幅広い通貨と重要な貴金属データを提供している。同社のマウリサ・バウマン副社長は「世界中の銀行、資産運用会社、独立系ソフトウェアベンダーに信頼できる構造化されたマルチアセットクラスデータを提供している。チェーンリンクと協力してオンチェーン市場に安全で信頼性の高いデータを提供することは、グローバルブロックチェーン経済の成長における重要なステップだ」と述べた。
現実世界資産のトークン化(RWA)市場は2034年までに30.1兆ドルに達すると予想される中、この提携は機関投資家がデジタル資産分野でリーダーシップを確立する重要な機会を提供する。Chainlink Data Streamsは低遅延オラクルと自動決済インフラの標準として、オンデマンドで安全かつ信頼性の高い高頻度市場データへのアクセスを提供している。
チェーンリンク・ラボ資本市場担当プレジデントのフェルナンド・バスケス氏は「ICEの統合フィードデータをチェーンリンクの機関投資家グレードインフラを通じてオンチェーンで配信することは、グローバル市場進化の画期的瞬間だ」と評価し、「数百兆の資産がトークン化への明確な道筋を描く中、統一されたグローバルアクセス可能なオンチェーン金融システムへの重要な転換を示している」と述べた。
NYSE親会社という伝統的金融インフラの中核企業がブロックチェーン技術に本格参入することで、オンチェーン金融の主流採用に向けた重要な節目となった。
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