トルコの公共放送TRTは14日、国際刑事警察機構(ICPO)の赤手配書(レッドノーティス)で手配されていた外国籍の容疑者が、イスタンブールで警察に拘束されたと報じた。容疑者は「R.J.S.」とイニシャルで記されており、暗号資産(仮想通貨)のHex(
hex)とパルスチェーン(
pulsechain)を立ち上げたリチャード・ハート氏の本名、リチャード・J・シューラーのイニシャルと一致する。
所在地から現金や銃器などを押収
TRTが配信したアナドル通信の記事によると、捜査を担ったのはイスタンブール県警の情報部門と金融犯罪対策部門で、トルコ国家情報機構(MIT)が支援した。容疑者には、多額の暗号資産詐欺に関わった疑いで赤手配書が出されていたという。
警察は容疑者がベシクタシュ地区にいることを突き止め、所在地を捜索した。容疑者とともに、同じく外国籍の妻も拘束されている。
捜索では、現金60万ドル(約9,457万円)、2,600ユーロ(約45万9,000円)、5万リラ(約15万9,000円)のほか、高級腕時計24本、金のブレスレット20本、金のネックレス7本が見つかった。
押収品には、拳銃3丁、長銃4丁、弾倉7個、銃弾1,360発、ドローン2機も含まれる。電子機器では、スマートフォン12台、パソコン本体8台、ノートパソコン6台、グラフィックボード20枚、SSD14個、USBメモリー7個、メモリーカード3枚が押収された。2人は手続きのため警察に移送された。
フィンランドでは2024年に脱税容疑で勾留決定
ハート氏は、2024年からフィンランド当局の捜査対象となっている。フィンランドの公共放送Yleによると、ヘルシンキ警察は同年9月、同氏に重大な脱税と暴行の疑いがあると発表した。脱税は2020年6月から2024年4月にかけての所得申告をめぐるもので、免れた税額は数億ユーロにのぼるとしている。
2024年9月13日には、本人不在のまま同氏の勾留が決まった。警察は、同氏が暗号資産をフィンランドから立ち上げて主に国外向けに宣伝していたと説明していた。
米証券取引委員会(SEC)も2023年7月、同氏を本名のリチャード・J・シューラーとして、暗号資産の無登録募集などで提訴した。ただ、ニューヨーク東部地区連邦地裁は2025年2月28日、SECが同氏に対する人的管轄権を立証できていないとして訴えを退けた。SECは修正訴状を提出しなかった。
HEXとPLSは24時間で3〜4割下落
CoinGeckoのデータによると、執筆時点の24時間でHEXは約32%、PLSは約41%下落した。パルスチェーン上のHEX(
hex-pulsechain)は約45%下げている。
ハート氏のXアカウントは、14日午前2時38分(日本時間)の投稿を最後に更新されていない。トルコの報道は容疑者の氏名を明らかにしておらず、執筆時点で本人や関係者からの声明は確認できていない。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.62円、1ユーロ=176.71円、1リラ=3.19円)
