暗号資産(仮想通貨)取引所BitMEX(ビットメックス)の共同創業者であるアーサー・ヘイズ氏が22日、日本の新政権の経済政策を巡り自身の見解を示した。同氏は高市早苗新首相が打ち出した経済対策を受け、「ビットコイン(BTC)は100万ドル(約1.5億円)に達する」と公式Xで皮肉まじりの予測を展開した。
円安とビットコイン高騰、ヘイズ氏が描く極端な市場シナリオ
高市新首相は21日の記者会見で、インフレ対策を中心とした包括的な経済政策の策定を指示。ガソリンの暫定税率廃止や冬場に向けた電気・ガス料金支援、地方自治体への重点交付金拡充など、家計負担の軽減を主軸に置いた施策を検討している。
さらに中小企業や小規模事業者の賃上げ支援、設備投資の促進も打ち出す見通しだ。加えて、中長期的には教育の無償化や「103万円の壁」の見直し、給付付き税額控除の導入など、税制・教育改革を並行して進める方針も明らかにした。即効性のある税負担軽減や補助金、中長期の構造的な税制・教育改革の両輪で物価高対策を進めていく構えを示している。
ヘイズ氏はこの経済政策を「インフレを悪化させる行為」と見なしている。同氏は政府が現在のインフレ原因を作っておきながら、さらなる財政支出でインフレを解消しようとしていることを揶揄し、これは狂気の沙汰だと一蹴している。
こうした政策の結果として、ヘイズ氏は極端な円安とビットコイン高騰を予想し、「ドル円は200円、ビットコインは100万ドル」というシナリオを共有した。「Yachtzee」という俗語で締め括った投稿からは、個人的な利益機会に恵まれるならば構わないという同氏の姿勢がうかがえる。
高市政権が掲げる財政拡張路線が国内経済を刺激する一方で、インフレ圧力や為替市場への影響がどこまで波及するかは不透明だ。ヘイズ氏の予測はあまりに極端だとも言えるが、財政政策と通貨価値の関係をめぐる議論が再び活発化するきっかけになるかもしれない。
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