米暗号資産(仮想通貨)運用会社「Grayscale(グレースケール)」は13日、米国証券取引委員会(SEC)に、新規株式公開(IPO)を申請したと発表した。ニューヨーク証券取引所で「GRAY」のティッカーシンボルによる上場を予定している。
ETF・プライベートファンドなど40以上のプロダクトを展開
今回の届け出では、提供株式数や価格帯はまだ決まっていない。また、上場完了についても現段階で確定しておらず、規模や条件を含め今後検討が進む見通しだ。主幹事にはモルガン・スタンレーやバンク・オブ・アメリカ、ジェフリーズなどの大手銀行が名を連ねる。
グレースケールは2013年設立の老舗暗号資産運用会社で、暗号資産規制が未整備な時期から機関投資家向け商品を提供してきた。2015年開始の「Grayscale Bitcoin Trust(GBTC)」はビットコインETFがなかった当時、証券として投資できる手段として活用され、市場の発展に寄与した。
現在は約350億ドル(約5.4兆円)の運用資産を有し、イーサリアムやライトコイン、ソラナなどの単一資産ファンドに加え、アルトコインやDeFi(分散型金融)に特化したファンドなど40以上の商品を提供している。取り扱うトークンは45種類以上に増え、暗号資産市場を広くカバーする大手運用会社として存在感を高めている。
グレースケールのIPO申請は、暗号資産関連企業が株式市場での評価を求める動きとして、個人投資家にとっても重要な意味を持つ。もしIPOが実現すれば、暗号資産を扱う企業の透明性向上や商品ラインナップの拡充につながり、暗号資産投資を取り巻く環境の変化を見極める材料となる。
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