暗号資産運用大手グレイスケール・インベストメンツは10月31日、マーケットコメンタリー「Here Come the Altcoins(アルトコインの時代が来る)」を公開し、米証券取引委員会(SEC)の新たな上場基準により、数週間以内に大量のアルトコインETF・ETP(上場投資商品)が登場すると予測した。
ビットコイン級の簡易審査へ移行
グレイスケールによると、9月17日にSECが承認した「汎用上場基準」により、暗号資産ETFの上場プロセスが大幅に簡素化される。これまでSECは各トークンを個別に審査していたが、新基準では一定の条件を満たせば上場が可能となる。
ビットコインETFの上場には、2013年の最初の申請から2024年の承認まで10年以上を要した。しかし、新基準により、アルトコインETFは大幅に短期間で上場できるようになる。すでにソラナ(SOL)のスポットETFが取引を開始しており、今後数週間でさらに多くの銘柄が追加される見込みだ。
11銘柄が上場候補、市場の9割カバー
グレイスケールは、ソラナを含む計12銘柄が新基準を満たすと予測している。具体的には、エックスアールピー(XRP)、ドージコイン(DOGE)、カルダノ(ADA)、チェーンリンク(LINK)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ステラ(XLM)、アバランチ(AVAX)、ライトコイン(LTC)、ヘデラ(HBAR)、柴犬コイン(SHIB)、ポルカドット(DOT)の11銘柄だ。
これらの銘柄は、グレイスケールとFTSE/ラッセルが共同開発した「Crypto Sectors(暗号資産セクター)」フレームワークの6セクターのうち4セクターをカバーしており、暗号資産市場全体の時価総額の約11%を占める。ビットコインとイーサリアムと合わせると、米国投資家がスポットETF経由でアクセスできる資産は市場全体の約90%に達する。
多様なユースケースを反映
グレイスケールが予測する12銘柄は、それぞれ異なるユースケースを持つ。
通貨セクターには、ビットコイン(時価総額2兆2,000億ドル)、XRP(1,500億ドル)、ビットコインキャッシュ(110億ドル)、ステラ(100億ドル)、ライトコイン(73億ドル)が含まれる。
スマートコントラクト・プラットフォームセクターには、イーサリアム(4,660億ドル)、ソラナ(1,030億ドル)、カルダノ(230億ドル)、アバランチ(80億ドル)、ヘデラ(84億ドル)、ポルカドット(44億ドル)が分類される。
ユーティリティ・サービスセクターからはチェーンリンク(120億ドル)、コンシューマー・カルチャーセクターからはドージコイン(280億ドル)と柴犬コイン(59億ドル)が候補となっている。
グレイスケールは、「パブリックブロックチェーンは幅広いユースケースを持つ汎用技術であり、暗号資産クラスはますます多様化している」と指摘。投資家に対し、各トークンの独自のユースケースとリスクを考慮し、分散されたバスケットでの保有を検討するよう推奨している。
同社は、新基準を満たす暗号資産の数は時間とともにさらに増加する可能性が高いとしており、米国における暗号資産投資の選択肢が大幅に拡大する見通しだ。




