暗号資産(仮想通貨)アナリストのジョー・コンソーティ氏は22日、ビットコインがゴールド(金)に対して約100日遅れで追随する「キャッチアップトレード」の初期段階に入ったとの分析をX(旧Twitter)で発表した。
ゴールドが先行、ビットコインは遅れて追随

コンソーティ氏が示したチャートは、2019年から2025年にかけてのゴールド価格(XAU-USD)とビットコイン価格(XBT-USD)の推移を100日のタイムラグを持たせて比較したもの。「Gold moves first, bitcoin follows harder(ゴールドが先に動き、ビットコインはより激しく追随する)」というサブタイトルが示すとおり、両資産は類似したパターンを描きながらも、ビットコインのボラティリティがより高い傾向が見られる。
同氏は「年末に向けて、ファンドマネージャーが運用成績で市場平均を上回ろうと積極的にリスク資産へ投資する中、ハト派的なFRBと地政学的緊張の緩和を背景に、ビットコインなどへの資金流入が加速している」と指摘。リスクオン相場が加速する中で、ビットコインへの資金移動が本格化しつつあるとの見方を示した。
金資産の2%流入で16.5万ドル到達の可能性
特に注目すべきは、コンソーティ氏が「ゴールドの価値のわずか2%がビットコインにローテーションするだけで、ビットコインは16.5万ドルに到達する」と試算している点だ。現在のゴールド市場規模は約30兆ドルとされており、その2%は6,000億ドルに相当する。ビットコインの現在価格が約11万ドル前後であることを考えると、この資金流入は50%近い価格上昇をもたらす計算となる。
近年、ビットコインとゴールドの相関係数は上昇傾向にあり、オンチェーン分析ツールクリプトクオントのデータによると現在0.85を超えている。これは2021年10月の-0.8から大きく転換したもので、両資産が価値保存手段として同様の動きを見せ始めていることを示唆している。
2025年はゴールドが優勢も、ビットコインの巻き返しに期待

2025年に入ってから、ゴールドは約77%上昇したのに対し、ビットコインの上昇率は約15%にとどまっている。しかし過去のパターンを見ると、2020年にゴールドが80%上昇した後、ビットコインは480%近くの急騰を記録した事例もある。
今回の分析は、リスク資産への資金流入が加速する中で、ビットコインがゴールドの動きに追随して大幅な価格上昇を遂げる可能性を示唆するものとして、市場関係者の注目を集めている。
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