イーサリアム財団、「Open Intents Framework」を発表|相互運用性のUXを高める

JinaCoin編集部
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イーサリアム財団、公式発表より引用

イーサリアムのL2プロジェクトなど30以上のチームが参加

イーサリアムの技術的研究やエコシステム拡大を主導するイーサリアム財団は20日、「Open Intents Framework」を発表した。異なるチェーン間での資産の移動といった相互運用性を高めることが目的で、Optimism(オプティミズム)やPolygon(ポリゴン)などの主要レイヤー2チェーンや、インフラ開発プロジェクトら30以上のチームが参加している。

現在、イーサリアムのエコシステムには数多くのレイヤー2が存在しているが、チェーンをまたぐ資産の移動は非常に煩雑で、相互運用性がエコシステムの大きな課題になっている。

たとえばPolygonからArbitrum(アービトラム)へと資産をブリッジ(移動)する場合、どのような手段が存在し、その中でどのプロトコルを利用するのが高速かつ効率的なのかを、ユーザー自身が調べる必要がある。これをあらゆるチェーンの組み合わせのたびに行わなくてはならない状況が、エコシステム普及の大きな妨げになっているのだ。

「Open Intents Framework」に含まれている「Intent(インテント)」という用語は、2023年頃からブロックチェーンの相互運用性に関連する考え方・アプローチとして注目されるようになったものである。

Intentとは、ユーザーの意図(Intent)に基づいてブロックチェーン上の操作を自動的に実行することを指す。たとえば「100USDCをBase(ベース)からArbitrumにブリッジしたい」という”意図”をユーザーが入力するだけで、「ソルバー」と呼ばれる特殊なエージェントによって、その意図通りに実行される仕組みのことだ。「どのプロトコルを利用するのか」といった”手段”を命令しなくても、ユーザーの”意図”が自動的に実行されれば、利便性が大いに向上することは想像に難くないだろう。

「Open Intents Framework」は、イーサリアムエコシステム上の各チェーンにIntentを構築・展開するためのフレームワークやコンポーネントを提供し、それによって相互運用性の向上を目指す取り組みである。
財団による発表には「Build Together, Win Together(共に構築し、共に勝利を)」と記されている。この取り組みによってイーサリアムエコシステム全体のUXを向上させ、さらなる普及を目指すという強固な意思が感じ取れるだろう。

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