過去最高、4,800ドルライン再挑戦の可能性
ビットコイン(BTC)が史上最高値を更新し、暗号資産(仮想通貨)市場全体にリスク選好ムードが広がるなか、イーサリアム(ETH)も再び活況を呈している。イーサリアムは近年、企業財務資産としての採用も進んでおり、長期的な需要増加の兆しが見られる状況だ。こうした中、今後のイーサリアム価格の動向を占う投資家や企業によるSNS投稿が注目を集めている。
著名投資家、4,000ドル突破で「価格上昇は止まらない」と指摘
著名投資家のテッド・ピロウズ氏は30日、公式Xにてイーサリアム価格が節目として意識される4,000ドルに接近している点に言及。2021年の最高値以来、この水準を明確に上抜けたことがないと指摘する一方、今回の上昇サイクルでブレイクに成功すれば「価格上昇は止まらなくなる」との強気な見解を示した。
イーサリアム価格は執筆現在、約3,781ドルで推移。2024年内には4,000ドル水準を突破するチャンスがあったが、いずれも売り圧力によって反落している。だが、現在の上昇の勢いが継続し、4,000ドルを明確に突破できれば、2021年11月に記録した約4,800ドルの高値圏への回帰が視野に入るだろう。

取引所のイーサリアム残高、9年ぶりの最低水準に
イーサリアムは需給面においても強気材料が見られる。仮想通貨情報サイト「Coin Bureau(コインビューロー)」は30日、仮想通貨取引所におけるイーサリアム残高が9年ぶりとなる最低レベルに達していると公式Xで報告。加えて同サイトは、この残高減少がイーサリアム財務戦略を主導する各企業に影響を及ぼす可能性があると示唆した。
オンチェーン分析プラットフォーム「CoinGlass(コイングラス)」が提供するデータによると、仮想通貨取引所におけるイーサリアムの流出傾向は2024年末頃から顕著になっている。特に直近の7月21日からの週には約13.8億ドル(約2,043億円)相当のイーサリアムが流出。投資家心理が売却よりも積極的な買いや運用といった長期志向に傾いていることを示唆する要因と言えるだろう。

今後、イーサリアムが4,000ドルを明確に突破するか否かは、市場心理とオンチェーン需給動向のバランスが大きな鍵を握る。特にイーサリアムの技術的革新や各企業のイーサリアム財務戦略の導入などは、さらなる価格上昇の下地を形成するための重要な要素となるはずだ。これからのイーサリアムの史上最高値更新にも期待したい。
関連:イーサリアム、強気トレンド継続か──5年ぶりの長期レンジ突破で上昇余地あり
関連:イーサリアム、1万ドル突破間近?著名アナリストが2021年BTC急騰パターンとの完全一致を指摘
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148.09円)