ビットコイン・主要アルトコインは4日も続落し、大陰線でクローズ。現在やや持ち直してはいるものの、しばらくは強い戻り売りの圧力が懸念される。特にビットコインは週足レベルのサポートライン付近まで価格を下げており、このラインを守れるかどうかが焦点となっている。
ビットコインは週足サポートライン維持が焦点
ビットコインは日本時間4日14時、強く意識されていた10万6,000ドル付近のサポートラインを明確にブレイクすると、損切や失望売りを伴って急落。

一時は約3か月半ぶりの安値となる、9万8,000ドル台にまで下値を拡大した。ハイテク銘柄を中心とした株安と、3日に発生したDEX(分散型取引所)「バランサー」のハッキング事件から生まれた業界への不信感に、ネガティブなチャートパターンが重なったことが、大きな売り圧につながったと分析される。
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CMC暗号資産恐怖と欲望指数が20まで低下し「恐怖」ゾーンに入るなど市場心理が悪化したが、10万ドル付近には週足レベルのトレンドラインがあり、押し目買いの機会と捉えた投資家からの買い圧力によりやや反発。

またこのトレンドラインには、2年間以上にわたって意識されてきた60日移動平均線(60MA)も重なっており、大口・長期投資家から強く意識されやすい水準だ。そのため一定の反発は期待できる局面だが、ここで強気相場再開と判断するのは時期尚早といえる。

清算ヒートマップを見ると、流動性クラスターが11万2,000から上方に集中しており、この価格帯が強いレジスタンスとして機能する見込み。強気相場に回帰するためには、このレジスタンスの明確な突破が不可欠だ。
ビットコインは現在10万ドル付近の週足サポート、そして11万2,000ドル付近のレジスタンスに挟まれているため、短期的には戻り売りを警戒する局面だが、中長期的には現物の買い増しを検討できるエリアとも捉えられる。
ただ、多くの投資家に意識されている週足サポートラインを明確に下抜けた場合は、強気相場の本格的な終焉を受け入れざるを得ない。週足レベルで10万ドルより上の価格帯を維持できるかどうかが、正念場となりそうだ。
イーサリアム21%安だが、アルトコイン反転の兆しも
主要アルトコインも、ビットコインの急落につられ全面安。

3日の時点ですでに重要なサポートを割っていたイーサリアムは、4日午後から夕方にかけてレジスタンス転換をテストしたが、上抜けに失敗すると損切やショートエントリーが重なり直近高値から約21%の大幅下落。しかし3,000ドルという意識されやすい価格帯で強い反発を見せ、現在は3,300ドル付近で推移している。

ビットコインドミナンスも急上昇しており、アルトコイン市場の地合いの弱さを示唆している。ただ、週足で見るとポジティブな兆候も。

週足チャートにトレンドラインを引くと、一時ラインを下抜けた後レジスタンス転換を試している動きにも見える。ここでチャートが反転すれば、ドミナンスの下落トレンドの再開=アルトコインへの資金逆流が起きる可能性もある。
本日はADP雇用統計・ISM非製造業指数に注目
本日は日本時間22時15分に10月ADP雇用統計、24時に10月ISM非製造業景況指数の発表が予定されている。どちらも民間団体による調査のため、米政府閉鎖の影響で延期されることはない。
雇用関連データは政策金利の方向性を占う最重要指標の一つであり、特に政府機関統計が停滞している今、ADPデータの市場インパクトは大きいと見られる。
また、3日に発表されたISM製造業景況指数が予想を下回ったことでリスクオフムードが加速した経緯もあり、本日のISM非製造業指数には一層の注目が集まっている。
現在相場に極度の緊張状態が走っているだけに、指標発表前後に価格が乱高下する可能性もあるので、トレードを行う際はリスク管理を徹底しよう。
現在の相場は、今年残り2か月の展開を左右するほど重要な局面に立たされている。本日発表の指標が、市場の方向性を決定づける可能性もあるため、アメリカ時間の相場の動きには要注目だ。




