ネイルサロン運営などで知られる株式会社コンヴァノ(6574)は7日、ビットコインを中心とした中期財務戦略「シン・コンヴァノ 21,000 ビットコイン財務補完計画」を策定したと発表した。これまでの「長期保有」方針を改め、ビットコインを積極的に運用する体制へと転換する。
2027年までに21,000BTCを保有 自己勘定取引とオプション取引で収益化を図る新方針
同社はこれまで、ビットコインを主に保有目的で扱っていたが、今回の改定では「単なる保有」から「運用による収益化」へと方針を転換した。保有するビットコインの100%をオプション取引および自己勘定取引に充当し、カバードコールやキャッシュセキュアード・プットなどを組み合わせることで、プレミアム収入の安定的確保と下落局面での損失緩和を図る方針である。
また、期近・期先のインプライド・ボラティリティや需給動向を踏まえ、カレンダー取引やスプレッド取引などの合成戦略も用いるとした。ディーリング活動については、主要取引所およびOTC市場での取引回転を通じて機会利益を追求する構えだ。
こうした運用モデルを支えるため、同社は国際的な執行体制の構築にも着手している。同社は英領ヴァージン諸島(BVI)に100%出資の連結子会社を設立する。新会社は本計画における主要契約主体となり、日本の本社が指揮命令系統の中核を担う。委託業務の範囲やリスク管理基準を本社が統制する仕組みで、10月中に登記を完了し、11月から本格稼働する予定である。
また、株式の希薄化を抑えながら段階的な資金調達を進める計画も打ち出した。ナスダック上場の金融テクノロジー企業との戦略的連携を通じ、社債引受(50%)と第三者割当増資(50%)を組み合わせた調達ストラクチャーを構築する。これにより、数千億円規模のビットコイン取得・運用資金枠を確保する見通しだという。
以上のような取り組みを通じて、コンヴァノはキャッシュフローの安定化と自己資本の弾力性強化を目指す。これにより、中長期的なEPS(1株当たり利益)の成長にも寄与する見込みである。さらに、グローバル機関投資家との関係拡大を通じて企業の信用力向上も図る。
世界的に企業のビットコイン保有が進む中、多くは保有にとどまる。コンヴァノはオプション取引などを組み合わせてビットコインの価格変動を収益化する独自戦略を展開し、企業財務への新たな活用法を提示している。ただし、高度な専門性とリスク管理が求められ、価格変動や流動性対応が持続性の鍵となる。
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