東証グロース上場のネイルサロン運営企業「株式会社コンヴァノ(証券コード:6574)」は19日、ビットコインを活用した株主優待制度の新設を発表した。同制度では保有株式数に応じて年間最大1万円相当のビットコインと、同社ネイルサロン「FASTNAIL」の優待割引券を株主に直接提供する。
「抽選なし」で全株主にビットコイン確実提供が特徴
コンヴァノの制度は、既存のビットコイン株主優待制度と異なり「抽選ではなく全対象株主への確実な提供」が大きな特徴となっている。これまでメタプラネット、gumi、イクヨが導入したBTC優待制度はいずれも抽選方式だったが、コンヴァノは条件を満たした個人株主全員にビットコインを贈呈する。
主な優待内容:
- 1,000株以上:年間2,000円相当のBTC + 優待割引券4,000円分
- 3,000株以上:年間6,000円相当のBTC + 優待割引券12,000円分
- 5,000株以上:年間1万円相当のBTC + 優待割引券2万円分
毎年9月末日と3月末日を基準日とし、1,000株以上を保有する個人株主が対象。ビットコインの贈呈額は各基準日時点のBTC価格に基づいて決定される。
「金融リテラシー向上」を掲げる実体験型設計
コンヴァノは制度導入の目的について「デジタル資産分野への理解促進および株主還元強化」を挙げ、「ビットコイン受領を通じて、ウォレット開設から着金までの承認時間や手数料の仕組み、価格変動を株主が実地で体験できる設計」と説明している。
これにより単なる経済的還元にとどまらず、株主の金融リテラシー向上も目指す点で他社の抽選型制度とは異なるアプローチを取っている。
大規模ビットコイン戦略の一環
今回の株主優待制度は、同社の包括的なデジタル資産戦略と連動している。コンヴァノは9月1日時点で累計約89億円を投資し519.93 BTCを保有し、2027年3月末までに21,000 BTC保有(想定総額4,340億円規模)を目標としている。
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さらに10月からビットコインマイニング事業開始や円建てステーブルコイン事業への参入も発表しており、株主優待制度はこれらの戦略の一翼を担う位置づけとなっている。
コンヴァノの「全株主確実提供方式」のビットコイン優待制度が、今後の企業価値向上と業界トレンドにどのような影響を与えるか注目されている。