金融庁認可を受けた暗号資産交換業者の「COINHUB(コインハブ)株式会社」は2日、「世界初の高性能暗号資産ATMネットワーク」の商用サービス開始を発表した。同社は暗号資産交換業者として暗号資産(仮想通貨)ATM事業を開始することについて金融庁へ届出を行った国内初の取引所となる。
現金入出金に対応、国内初の仮想通貨ATM
コインハブの暗号資産ATMは、現金投入による仮想通貨購入と、仮想通貨売却による現金引き出しの両方向に対応している点が特徴だ。分かりやすい画面表示で、初心者でも現金と仮想通貨を簡単に売買できるよう設計されている。
第一段階として、東京、横浜、名古屋、大阪、岡山、福岡の主要6都市に25台のATMを設置し、将来的には全国3,000台の展開を計画している。
植原洋代表取締役は「当社が細心に設計したオンボーディングプラットフォームは、シームレスな取引プロセスを保証し、デジタル資産取引所の概念を再定義する」とコメント。「ATMネットワーク展開と戦略的加盟店パートナーシップを通じ、コインハブはデジタル資産の利用拡大を推進し、Web3革命におけるグローバルリーダーとして日本の地位確立に貢献していく」と述べている。
国内では仮想通貨両替機BTMを展開する事例も
国内ではすでに「株式会社ガイア」が暗号資産自動両替機(BTM)を展開している。BTMは銀行ATMのような入出金機能を備えたものではなく、あくまでその場で仮想通貨と日本円を両替する装置だ。ガイアは2022年8月から東京タワー内のeスポーツ施設や同社の東京・大阪オフィスに計3台を設置している。
当初は仮想通貨から日本円への両替のみに対応していたが、2024年7月からはビットコイン(BTC)の購入にも対応。現在はイーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)を含む3種類の仮想通貨を取り扱い、1取引当たり最大10万円の両替が可能となっている。
なお、国内では2017年から18年にかけて仮想通貨ATMが一時的に登場したものの、2018年のコインチェック流出事件を機に撤去が相次いだ経緯がある。現在、国内で稼働している暗号資産自動両替機はガイアの3台のみとなっている。
コインハブの大規模展開計画により、今後は身近な場所で仮想通貨の売買ができるようになり、日常生活での利用が広がるかどうかに注目したい。
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