金融包摂に関する小委員会
米下院金融サービス委員会はきたる19日、金融包摂に関する小委員会において、ステーブルコインに関する法案の草案を取り上げることを明らかにした。
草案には、ステーブルコインに関する包括的な定義が含まれ、ステーブルコインを発行するための連邦および州レベルの要件が設定されている。
さらに草案では、米国財務省による調査が完了するまで、新しいステーブルコインの発行を「2年間」延期するよう要請している。
ステーブルコインとCBDCの関係
アメリカにおいて、ステーブルコインとCBDC(Central Bank Digital Currency:中央銀行デジタル通貨)は、同じデジタル通貨として、相互に影響を与える存在となっている。
実際、アメリカでは、ステーブルコインの急速な普及に伴って、CBDCに関する議論も一気に活発化した経緯がある。
新規のステーブルコインの発行を「2年間」延期する旨の要請も、この2年のあいだにCBDC(つまり、デジタルドル)を流通させてしまおうとの目論見があってのことと、筆者はにらんでいる。
デジタルドルはステーブルコインに取って代わるか?
デジタルドルが、ステーブルコインに完全に取って代わることはないだろう。
ステーブルコインとCBDCは、それぞれ異なる利点と欠点を持つため、お互いが共存する形が現実的なシナリオだからだ。
ステーブルコインは、私企業が運営するデジタル通貨で、価値の安定性を維持するために特定の資産(通常は法定通貨)に連動している。送金や決済の効率化、国際取引の簡素化、金融包摂の向上などの利点がある一方で、信用リスクや発行元の私企業による不正のおそれがある。
一方、CBDCは国家が発行し、中央銀行が管理するデジタル形式の法定通貨なので、その信用は国家によって担保されている。ステーブルコインと同様、送金や決済の効率化、金融システムへのアクセスの向上、国際取引の簡素化などの利点があるが、プライバシーや国家による恣意的な運用の懸念がある。
二卵性双生児
ステーブルコインは、CBDCに比べて、その地位が劣位にあるため、今後アメリカでデジタルドル構想に軌道修正があれば、ステーブルコインの扱いも多大な影響を受けるだろう。
ステーブルコインとCBDCは、二卵性双生児として、その行く末を見守っていくのが賢明だと思う。