Bybit、Cactus Custodyと戦略的提携──機関投資家向けオフエクスチェンジ決済を開始

shoko-koyama
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7月28日サービス開始、事前資金投入不要で取引決済時のみ資産移転

取引量世界第2位の暗号資産(仮想通貨)取引所「Bybit(バイビット)」は23日、アジア有数のデジタル資産カストディ企業Cactus Custody(カクタス・カストディ)との戦略的提携を発表した。

両社は機関投資家向けの新サービス「Cactus Oasis(カクタス・オアシス)」を通じたオフエクスチェンジ決済ソリューションを7月28日から提供開始する。このサービスにより、機関投資家はバイビットでの取引前に資金を預託する必要がなくなり、資産セキュリティと資本効率の大幅な向上が期待される。

従来の暗号資産取引では、投資家は取引所に事前資金投入が必要だった。しかし今回の提携により、顧客はカクタス・カストディに担保を預託し、取引決済時のみバイビットに資産を移転する新方式が実現する。

資産は完全に分離された規制準拠のカストディで保管され、カウンターパーティリスクを削減しながら市場流動性へのアクセスを維持できる。バイビットの機関投資家・デリバティブ責任者であるShunyet Jan(シュンイェット・ヤン)氏は「資産保護を損なうことなく、流動性管理の柔軟性を顧客に提供する」と強調した。

カクタス・カストディは、階層化されたホット・コールドウォレットシステムにより銀行グレードのセキュリティを実現している。ハードウェアセキュリティモジュール(HSM)暗号化と機関投資家グレードのコールドストレージを組み合わせ、Deloitte(デロイト)によるSOC 1 Type 1およびSOC 2 Type 2認証を取得済みだ。

さらに、香港金融管理局の下でHong Kong Trust Company(香港トラスト・カンパニー)および信託・会社サービスプロバイダー(TCSP)としてライセンスを保有し、主要金融機関のコンプライアンス基準を満たしている。

この提携は特にアジア太平洋地域の機関投資家にとって重要な意味を持つ。同地域では規制の明確性、リスク管理、資本柔軟性が長期的な市場参入の必須要件となっているためだ。

カクタス・カストディのWendy Jiang(ウェンディ・ジャン)ゼネラルマネジャーは「バイビットとの統合は、安全なカストディ、リスク削減、効率的な取引後決済への機関投資家の要求に応えるもの」と述べ、デジタル資産取引インフラの発展における重要な一歩と位置づけた。

両社は今後も、コンプライアンス準拠と透明性を重視した拡張可能なインフラ構築により、グローバルな機関投資家の暗号資産採用を支援していく方針だ。

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仮想通貨歴5年。ニュース記者歴3年。常に仮想通貨ニュースを追う。情報ソースを追究し正しい情報をわかりやすく伝えることに努めている。仮想通貨は下落するたび買い増すタイプで、主にステーキングで資産運用中。
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