オンチェーン分析を専門とするMorenoDV氏は9日、ビットコイン市場で大規模なキャピテュレーション(投げ売り)が発生していると報告した。新規クジラ(大口保有者)が過去6日間で13億ドル(約2,000億円)を超える実現損失を記録している。
ビットコイン、新規クジラが大量損切り

MorenoDV氏が公開したオンチェーンデータによると、10月から11月初旬にかけて、新規クジラによる実現損失が急増している。特に過去6日間の損失額は13億ドルを超え、2025年で最も激しい売り圧力の一つとなった。
チャートでは、新規クジラ(紫色のバー)による大幅な実現損失が顕著に表示されている。10月には15億ドル近い損失を記録する局面もあり、新規参入した大口投資家が厳しい状況に直面していることが分かる。
同氏は、「この動きは、レバレッジポジションからのパニック的な退出や、新規参入者の損失回避行動による強制的な売却の可能性を示唆している」と分析している。
10万ドル台を維持
注目すべきは、これだけの売り圧力にもかかわらず、ビットコイン価格が10万ドルから10万5,000ドルのレンジを維持している点だ。
MorenoDV氏は、「市場がこの価格帯を維持できているという事実は、根強い需要が存在することを示唆している。今後の動きを観察することで、この出来事が最終的なシェイクアウト(弱気筋の一掃)だったのか、それともより深刻な問題のシグナルだったのかが明らかになるだろう」と述べている。
新規参入者の苦境
今回のキャピテュレーションは、主に新規参入したクジラによるものだ。これは、市場経験の浅い大口投資家が価格変動に耐えきれず、損切りを選択していることを示している。
オンチェーン分析では、新規クジラによる損切りが一巡すれば、市場の売り圧力が緩和される可能性がある。実際、10万ドル台での価格維持は、強力なサポートレベルの存在と、底値での買い需要があることを示している。
MorenoDV氏は投稿に「BULLISH(強気)」「Short-term(短期)」のタグを付けており、短期的な調整局面を経て、強気相場が継続する可能性を示唆している。




